(三)

文字数 214文字

 その日、美術部内での校内の様子をスケッチするという課題のために、私はスケッチブックを持って学校内をウロウロしていた。
 そしてなんとなく図書室に入った。憂い顔のイケメンでもいないかなと、ふと思ったりしたのだ。
 残念ながら憂い顔のイケメンはいなかったが、憂い顔の金子スグルがいた。
 スグルは大きい六人掛けのデスクの席で本を数冊広げながらぼんやりしていた。
 私はスグルの向かい側の席に座って「なんかあったの?」と聞いてみた。

(続く)
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