フランケンの慟哭、悲しみの拳
文字数 2,355文字
フランケンシュタインが振り回す拳、愛倫 は両の掌を前に突き出し、真っ向からこれを受け止めた。
その衝撃だけで、今は廃墟と化しているこの建物全体が揺れる。
フランケンはまるでやり場のない怒りと悲しみをぶつけるかのごとく、力まかせに拳を繰り出し続ける。
打ち出された拳、それが当たる寸前、愛倫 はバックステップでやや後ろに下がり衝撃を逃しつつ、横からフランケンの手を弾き軌道を変えて逸らす。
まるで強い風を受け流す柳のように。
フランケンのやり場のない慟哭がおさまるまで、最後まで付き合おうと、愛倫 は最初からそう決めていた。
完全に避けることはせずに、必ずフランケンの拳に触れながら。
ドレイン・タッチ
フランケンもまた、おそらくは、エネルギーを吸われていることに気づいていたが、それでも、自らの拳を打ち続けることを止めようとはしなかった。
ネクロマンサー幼女の魔法攻撃をかわしながらも、フランケンの拳を受け止め続けた
やがてフランケンは膝をつき、その場に崩れ落ちる。
涙を流し、嗚咽を漏らすフランケンシュタイン。
少しでも情報が欲しい愛倫 はあえて、ネクロマンサー幼女を煽る。
案の定、愛倫 の挑発に乗って、ボロを出したネクロマンサー幼女。
旗色が悪くなったと見るや、ネクロマンサー幼女は捨てゼリフを吐いて、瞬間移動でその場から姿を消した。
病院で意識不明となっているおばあちゃんの、まだその体にとどまっている魂を、誰の目にも分かるように実体化、視覚化させて、フランケンシュタインに会わせる愛倫 。