第11話 理想の関係

文字数 462文字

 私はね、好きになったひとを、愛したいだけなんだ。セックスとかプラトニックとか、どうでもいい。ただ、愛して、愛して、愛しまくりたいんだ。
 ずっとだと、大変だから、期間限定で。1日半とか2日なら、大丈夫。3日も4日は、ムリ。そんな長く、愛せない。
 一緒に暮らすなら、マンションの、隣室どうしがいい。ベランダ越しに、洗濯物を干している時、おたがいに「こんにちは」とかね。

 ひとりでいる時間が多いほど、私はあなたをいっぱい愛せる。短期集中型なのよ。だらだらするのは大嫌い。ひとりでいる時、いっぱい愛をためて、会っている時、いっぱいいっぱい、相手に向かうの。
 ふたり、充実したデートの時間を過ごして、「じゃあね」って別れる。隣りどうしの部屋へ、それぞれの玄関開けて、入って行くんだ。
すぐまた、会おうと思えば、会える。でも、それはしない。隣りにいるってだけで十分。薄い壁から聞こえる生活音、ああ、それはどんなに素晴らしい物音に聞こえるだろう!
 これが、私の、恋人との理想的な暮らし方。しょっちゅう顔を合わせるなんて、まっぴらごめん。
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