第9話
文字数 1,023文字
武には申し訳ありませんが、仕方がないのです。ですが、訳は後で話しますが、これも地球のためでもあります……。
武はまず竜宮城の城下町へと海の上を歩いてきました。
おや? 武が海から砂浜へたどり着くと、東龍は大陸の砂浜から少し離れた城下町からもう武を見つけました。
シンと静まり返った城下町には、今は魚人は数少なくなり、代わりに魚人の将たちの武家屋敷が数多くあります。そこの一つに東龍は住んでいます。
「どれだけ強くなった? もっと強くなったんだよな? 武よ?」
「ああ……」
「そうか。だんだん、面白くなって来たぜ!」
「なあ、北龍よ。私も期待しているんだが」
武の元へ駆けて来た東龍と北龍も武の強さにこれ以上ない期待をしています。
西龍も南龍までも、渦潮が発生したと同時に武が戻って来たのを知ったのです。再び武と出会えるのが待ち遠しかったのでしょう。いつの間にか武の傍にいました。
後ろを見ると、未だ水淼の大龍が佇んでいます。
魚人たちの大軍は皆、口から大量の泡を吹いているので、水の壁のような水泡が発生しています。
泡が苦手だったようで、水淼の大龍の足止めになっていました。
前の戦いで惨敗でしたが、竜宮城は無事だったのですね。
この大陸から北に数千キロ先にまで行くことにしました。
竜王のいる水晶宮は遥か遥か北にあります。
そこは寒い風の吹き荒れる氷山で覆われた身体の芯すらも凍る場所です。八部衆が守る竜王のその姿は、まだ誰も見たことはないと言われています。
僅かに寒さを感じてきました。
一面真っ赤な海を見つけました。目を凝らして見てみると。
そこでは、魚軍の一軍がなんと全滅していました……。
何が起きたのでしょう。
辺りには一匹も龍はいませんでした。
背筋が凍りますが、私は武が気になり竜宮城へと急いで戻りました。
………
皆は無事でしょうか? かなり北から南南西へ進むと、ここからでも水淼の大龍の姿がわかります。想像を絶する巨大な一本の水色の柱が遥か天空まで伸びています。正直、ここではよくある景色なのです。ですが、退治しないことには私たちは生存できないのです。私たち水が必要な全ての命の脅威は水を失うだけではないのですね。
やっと、竜宮城に近づいてきました。
それと同時に武の姿が見えてきました。
武は居合い腰ではなく。抜刀し仁王立ちしていたのですが、水淼の大龍に背を向けたままです。恐らくは龍尾返しです。ですが、まだ未完成のはずでした。
武はまず竜宮城の城下町へと海の上を歩いてきました。
おや? 武が海から砂浜へたどり着くと、東龍は大陸の砂浜から少し離れた城下町からもう武を見つけました。
シンと静まり返った城下町には、今は魚人は数少なくなり、代わりに魚人の将たちの武家屋敷が数多くあります。そこの一つに東龍は住んでいます。
「どれだけ強くなった? もっと強くなったんだよな? 武よ?」
「ああ……」
「そうか。だんだん、面白くなって来たぜ!」
「なあ、北龍よ。私も期待しているんだが」
武の元へ駆けて来た東龍と北龍も武の強さにこれ以上ない期待をしています。
西龍も南龍までも、渦潮が発生したと同時に武が戻って来たのを知ったのです。再び武と出会えるのが待ち遠しかったのでしょう。いつの間にか武の傍にいました。
後ろを見ると、未だ水淼の大龍が佇んでいます。
魚人たちの大軍は皆、口から大量の泡を吹いているので、水の壁のような水泡が発生しています。
泡が苦手だったようで、水淼の大龍の足止めになっていました。
前の戦いで惨敗でしたが、竜宮城は無事だったのですね。
この大陸から北に数千キロ先にまで行くことにしました。
竜王のいる水晶宮は遥か遥か北にあります。
そこは寒い風の吹き荒れる氷山で覆われた身体の芯すらも凍る場所です。八部衆が守る竜王のその姿は、まだ誰も見たことはないと言われています。
僅かに寒さを感じてきました。
一面真っ赤な海を見つけました。目を凝らして見てみると。
そこでは、魚軍の一軍がなんと全滅していました……。
何が起きたのでしょう。
辺りには一匹も龍はいませんでした。
背筋が凍りますが、私は武が気になり竜宮城へと急いで戻りました。
………
皆は無事でしょうか? かなり北から南南西へ進むと、ここからでも水淼の大龍の姿がわかります。想像を絶する巨大な一本の水色の柱が遥か天空まで伸びています。正直、ここではよくある景色なのです。ですが、退治しないことには私たちは生存できないのです。私たち水が必要な全ての命の脅威は水を失うだけではないのですね。
やっと、竜宮城に近づいてきました。
それと同時に武の姿が見えてきました。
武は居合い腰ではなく。抜刀し仁王立ちしていたのですが、水淼の大龍に背を向けたままです。恐らくは龍尾返しです。ですが、まだ未完成のはずでした。