5章メルシィルートのあらすじ
文字数 2,174文字
ある日のことです。
ショコラさんのお姉ちゃん・シャルロットさんが、みんなを誘ってバーべーキューをはじめます。シャルロットさんが育てた自慢のフルーツたちも、お肉と一緒に焼いて食べることに。
盛り上がるみんなでしたが、楽しい時間は長くありませんでした。
シャルロットさんは、幼馴染でクイーンパティシエールでもあるメルシィさんのことをライバル視しています。しかし、メルシィさんはシャルロットさんのことを親友だと考えていました。
シャルロットさんは、自分をライバル視していないメルシィさんに対し、「私を格下だと考えているから眼中にないんでしょ」と怒りました。
一方でメルシィさんも、親友だと思っていたシャルロットさんに、「友達ではない」と言われて怒ります。
2人は互いに相手を想っているはずなのに、すれ違い喧嘩をしてしまったのです。
後日。
ミントさんのお姉ちゃん・ノワールさんは、2人の想いを知っているため、なんとか仲直りさせようと考えました。そこで、ノワールさんはフランさんに協力をお願いします。
こうしてはじまる仲直り大作戦でしたが、どうにも裏目に出てしまい、ますます喧嘩は激しく……。
そこでフランさんは、島中を巻き込む素敵な計画を思いつきました。
メルシィさんとシャルロットさんは、お互いに相手を大切に思ってるはず。お互いが本当の気持ちを打ち明ければ、仲直りができるはずです。
そのために、フランさんはショコラさん・ミントさん・ノワールさんにある計画を話しました。
その夜、ショコラさんはシャルロットさんに、メルシィさんを認めさせるべくスイーツ対決をしては? と提案しました。
2on2のスイーツ対決をするのです。
「どうして私とメルシィが対決するのに、タッグ戦にする必要があるのよ」
「露骨な対決だと、メル姉は拒否する可能性があります。そこでミントさん・ノワールさんも巻き込み、2対2対2にするんです」
「なるほど。いい考えかもしれないわね」
シャルロットさんは提案に乗っかります。
一方、フランさんもメルシィさんに提案をしました。
シャルロットさんと仲を深めるために、スイーツ対決をしては? という提案です。
競い合うのも仲良しの証。フランさんに丸め込まれ、了承するメルシィさん。
それからフランさん・ショコラさん・メルシィさんの3人は、お店にポスターをはったり、知り合いにチラシを配ったりして、島中にこの対決イベントを宣伝します。
出来上がったスイーツの採点を、集まってくれた人たちに託すのです。
こうして、イベントは「フラン&メルシィ vs ショコラ&シャルロット vs ミント&ノワール」という形になりました。
さて、イベント当日。
突然、フランさんとショコラさんは体調を崩してしまいました。もちろんそれは2人の演技ですが、そうとも知らず心配するメルシィさんとシャルロットさん。
イベントは中止にするべきだと思う両お姉ちゃんでしたが、集まった人々はこのイベントを楽しみにしています。
「みんなを笑顔にするのがお姉ちゃんのスイーツでしょ? イベントを中止にしちゃだめだよ」
フランさんは風邪で苦しそうなフリをしつつ、言いました。
仕方なくイベントを行うことに決めたメルシィさんとシャルロットさんですが、そこでノワールさんが言います。
「いかにクイーンパティエールでも、ぼくたちのコンビネーションには勝てない。たった1人で倒せるほど、『メルシィクラウン』は甘くないぞ」
事実、ノワールさん&ミントさんは、抜群のコンビネーションでスイーツを作り始めます。
このままでは負けてしまう。シャルロットさんは悔しさから、メルシィさんと組むことを決めました。メルシィさんも、シャルロットさんと組めるのがうれしくて、了承します。
「メルシィの『メルシィクラウン』と、私の『ワンダーアラモード』。ユニット名は、『ワンダークラウン』で決定ね」
「素敵な名前です。よろしくお願いしますね、シャルロットちゃん」
「ふん。私の足を引っ張るんじゃないわよ、メルシィ」
メルシィさん&シャルロットさんも、息ぴったりでした。
シャルロットさんは、メルシィさんにフルーツへの愛を尊敬されて、戸惑います。
「あんたは私を下に見ていたんじゃないの?」
「わたしはシャルロットちゃんのことを尊敬しているんです。だけど、それ以上に、友達だと、親友だと考えています」
ようやく、お互いの気持ちを打ち明けた2人。メルシィさんとシャルロットさんは、親友でありライバルでもある関係になることができました。
こうして、チーム『ワンダークラウン』は互いの持ち味を生かしたポップ可愛いスイーツを作り、『ゴシックブラウニー』に勝利しました。
涙を流し、仲直りを喜ぶフランさんとショコラさん。
2人の元気な姿を見て、メルシィさんとシャルロットさんは、すべて演技だったことを知るのです。
メルシィさん・シャルロットさんはフランさんたちに感謝し、最後はみんなでフルーツパーティーを行います。
けれど、ちょっとしたことからまた喧嘩する2人。
しかし、2人とも楽しそうです。
「結局、あいつらはアレが自然体なんだな」
と、あきれるノワールさんでした。