第0話 世界観について ※本編のネタバレあり

文字数 1,375文字

・ 世界
この世界はドゥニャという。
五つの大陸に分かれており、北がクゼ、南がグネ、西がバト、東がドグ、中心の大陸がクロールク。クロールクを囲み東西南北と他の大陸が存在する。
舞台は北のクゼという大陸である。比較的様々な種族が住んでいるが、比較的に多いのが人間、獣人族、魚人族であり、ほかにも妖精、天使や悪魔といった種族が住んでいる。
この世界にはまれに異界落ちといったほかの世界から落ちてくる人間たちがいるが(そこには他種族も含まれる)異界落ちについては後述の項目を参考にして欲しい。
自然が豊かな土地に都会の喧騒もあり、気候も穏やかであり四季があり暮らしやすい国だが、ほかの国からは“蛮族の国”と呼ばれている。
その理由はあらゆる食物が人の形を保っており、意志をもっているからだ。
ただし、加工品や輸入品はそれに当て嵌まらない場合もあるが、まれに加工品は人の形を保つ場合がある。

・ 異界落ちについて
この世界にはまれにほかの世界から落ちてくる人間たちがいる(そこには他種族も含まれる)。すべての種族が何らかの理由で亡くなった場合であることが共通しており、生きたまま落ちてくることはない。そして死因の原因となった箇所に傷跡が残っている。
数ある世界から落ちてきたとしても言語は共通して認識しているが、これについての謎は解明されていない。
異界落ちは発見者が役所へ連れて行くことが義務づけられており、これを破ったものは罰則をうけることとなる。役所に連れて来られた異界落ちは役所の入り口を通った瞬間にすべての情報が読み取られる。そして役所にて保護され、元の世界へ戻るかこの世界で暮らすかを選択できる。元の世界へ戻ることを選んだ場合は、肉体が残っている場合はその肉体が使われ、肉体が残っていない場合は新しい肉体が与えられる。
生活に関して五年間は国が負担し、その間に生き方を決めて届け出を出すことになっている。決められなかった場合は役所から提示される仕事に就くこととなる。
また、食物が落ちてきた場合は人の形を保つこととなりこの場合も役所にて保護されることになるが、この場合は食べられることを嫌うことが多く、そのまま役所にて保護され続けるか愛玩用として生活することとなる。ただし、これはクゼに落ちてきた場合のみである。

・ 食物について
クゼで育つあらゆる食物は人の形を保っている。
先述の通り輸入品や加工品はこれに当て嵌まらないが、加工品についてはまれに人の形を保つ場合がある。
食物たちは基本的に意志を持ち会話を行えるが、傷む前に食べられることを好む。
荘園の管理者によって育成され食べごろの時期になると出荷され、また、食物のなかにはヌシと呼ばれる唯一種が存在しヌシによって荘園の管理者は選ばれている。
そして食に関しての特異性があるため、合法的に人扱い(奴隷)として売買されることもある。また人の形であるがゆえそれに対して懸想したり愛欲を抱いたりする問題が多々あるが、特に取り締まる法律があるわけではない。

・ 荘園について
荘園は各食物を管理する場所である。
唯一種であるヌシとそれに選ばれた管理者によって運営され、またその大本は役所が管理しているため管理者には給料が発生する。その給料は食物たちのランクによって変動する。
また、荘園から卸された食物たちを加工して販売する店も存在している。
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登場人物紹介

竜胆(りんどう)


この世界に落ちてきた存在。

元々の世界では容姿のことから虐められており

(また、両親からも毛嫌いされていた)

全てを諦めてビルの屋上から飛び降りたところ、

目を開けたらこの世界にいた。


その際に出会い、面倒を見てくれたのが烏頭だった。

食物が人型であることに怯むことなく馴染み、

元々あったカニバリズム染た欲望を

満たすことが出来るこの世界のことを愛している。


烏頭のことを色んな意味で

愛している上で食べてしまいたいが

そうなったら後悔することが分かっているのでしていない。


烏頭(うず)


物忘れが激しく、すぐに忘れてしまう。

が、時たま記憶が戻ったり以前のように明るく朗らかな性格で振舞ったりする。

それ以外の時は厭世家気味。


過去、飼っていた魚に

「自分が死ぬ前に食べて欲しい」と言われ涙を流し吐きながら食べてからは

ブドウしか食べることが出来ない。

その件がきっかけでブドウ園の管理者になることになった。

記憶を留めておくことが苦手になり

今現在飼っていた魚のことは一切覚えていない。

ブドウ畑で竜胆を見つけ保護した。

竜胆に対してはそういう性癖もいるよな、

というくらいしか感じていない。一応友人。

一華(いちげ)


烏頭の妹。

気が狂っている。

いつもへらへらと笑いながら周囲をふらついており

間延びした話し方は聞く人が聞けば恐怖を感じるかもしれない。


かつて両親が目の前で

天使に食われたことによって気が触れてしまった。

そのことだけは一華も烏頭も覚えておりいつかその天使に出会ったら

復讐したいと話している。

言ってしまえばそれだけが生きがいである。


ぶどう畑のヌシ


同個体が何人も存在するうちの唯一である主。

体内でぶどうを生成しているため

採るためにはその腹を割かなければいけない。

ブドウ園の管理者である烏頭のことは個体認識しているし、

好ましい存在だと思っている。

また同一体は自分を欲してくれる人に好意を抱きスキンシップは多めである。


かつて、何も食べれなくなった烏頭がブドウ畑に迷い込み芳醇な匂いにつられ

無理やり食べたことからブドウを食べるようになったが、

その事を覚えているのは主だけである。

基本的にヌシも同個体もニコニコ笑顔で楽観主義。


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