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文字数 648文字

 すると、一人の学術員だろう学生の様な男が、

「博士、確かそこは、大いなる力ではないのでしょうか?私は、そう学びました」

と言った。博士はギロリと学生を睨むと、

「力とは何だね?まあ最悪、水とか塩とか
植物の種でも出てくるかも知れないがね。
私は、ここはあのエジプト文明最盛期の、
影の実力者。ピラミッド建設の最高責任者と
呼ばれた、不死の力を持っていたという。
ヨキセヌ二世の墓だと思っているよ。
ならば財宝、巨万の富と、ピラミッドの設計に関わるテクノロジーなどを隠してある、可能性まである。どっちに転んでも、私はいや君達も、学術界で名声を欲しいままに出来るのは間違いないのだよ。
力?金だよキン(金)だよ、財宝だよ。
さっ、始めるぞ」

 俺達は転生を繰り返しているうちに、大抵の人間の言葉は理解していた。
だから皆から、呻き声の様な驚きの言葉が漏れた。ギギギ〜、と聞こえた事だろう。
 参ったぜ!
ヨキセヌ二世って奴は、日本の小学生みたいに俺達を虫ケラの様に扱いやがって。
虫ケラだが。クソッ!俺達は金庫の鍵かよ?!
普通に作れアホ!

 俺は、ガサガサ壁のレリーフ的なエンブレムに入れられる仲間達を見ながら。最後の足掻きで中に入らない様に全力を尽くした。
羽を広げる事は出来ない。
俺は遺跡の口の中の壁の取っ掛かりに、手を引っ掛けて耐えていた。
 ウワァ〜!オオ〜!キャ〜!
阿鼻叫喚な地獄絵図が繰り広げられた。

 下を見ると光だしていた。
中はどうなっているんだ?俺は恐怖で糞を漏らした。もう体裁なんて繕ってられない。
 生きるか死ぬかだ。
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