第3-2話 畜生界に堕ちた漢 (2)畜生界の食堂、グルメの客
文字数 1,712文字
(2)畜生界の食堂、グルメの客
畜生界の食堂に入ってみた。
中は、意外な広さで東京ドームの数倍、いや数百倍の広さはありそうである。外観では、ちっぽけなプレハブ小屋に見えたのに。
「いらっしゃい。ニャー」
頭が猫の型をした、中年然とした愛想の良さそうな女将らしい者が、入り口に立って居る。暑いのか、時々平皿にいれたトマトジュースのような生臭い赤い液体を舐めて居る。リアル招き猫だ。
「料金は、前払いだニャー」
入り口から、入る者どもは猿の政治家紙幣を女将に払って入場する。
一歩足を踏み入れると猛獣の匂い、あちこちから猛獣の唸り声が聴こえる。まるで、食堂というより動物園の雰囲気だ。
畜生界に居ても、重労働をすれば腹が減る。私は、招き猫女将に料金を支払うと早速にカウンターに座った。
カウンターは、オープンキッチンで中の調理場の様子を一望できる。カウンターは勿論横一列なのだが、入り口付近からゆっくりとカーブを描きながら、万里の長城よろしくあちらの先が見えないほどに長大である。
私は、スーツ姿の上品そうな客の傍に座ってみた。汗みどろな作業着の自分が恥いる位の高級スーツに身を包んでいるのだが、頭が熊なのである。
「あら、熊沢さん久しぶり。今日は何に致しましょう?ブヒブヒっ!」
豚の頭をしたシェフが揉み手をしなが、近づいて来た。喋るたびにゴミ箱のような口臭がカウンター席にまで臭う。
「まず、お通しにコブクロのサシを頼む。それから、人足を二人前…がルルっ!」
熊沢さんの唸り声が、カウンター席に響く。
「おお、お目が高い。流石は、熊沢さん。いい出物が入ったばかりなんですよ。ブヒブヒ」
シェフは、死体安置所のような冷蔵庫の引き出しを開けると少女の遺体を取り出して、肉切包丁で解体し出した。
シェフは、少女のお○んこに包丁を突き立てると、「まだ処女だな、ブヒブヒ」と呟き、鮮血を飛び散らせながら、子宮を取り出すと葱を散らして皿に盛りつけた。
「へい。コブクロのサシ。処女の子宮だから新鮮だよ、ブヒブヒ」
豚のシェフが笑みを浮かべて居る。
「これが、たまらんのだな。ガルガル」
熊沢さんは、それを一口で食べてしまった。
気がつくと、あちこちにつるされている肉は獣肉のハムソーセージの類いではなく、人間の遺体の肉を熟成させたものであることに気が付いた。
私は、正視に耐えられなくなり、後ろを振り向いた。
背後の50mプールのような巨大な卓には、新鮮なフルーツや美味しそうなジュース、カクテルのような飲み物までが山と積まれて並んでいる。
「おおっ、やっと人間らしい食べ物に出会えた」
自分と同じような労働者達が、フラフラと卓に近づいてゆく。そして、西瓜の切れ端に手を伸ばし食べ始めた。
すると、何処から飛んで来たのか。頭に角が生えたカブトムシのような漢が来て、労働者の尻に角を差し入れるとやっとばかりに戸外に跳ね飛ばしてしまった。
わーっ。
頭からハサミが突き出たクワガタのような漢に腰を挟まれ鯖折りされたような状態になり、腰骨をバキバキと砕かれて居る者もいる。
ギャー。
これらの戸外に放り出された者、ハサミで腰骨を砕かれた者達は、瀕死の状態になるのであるが、猫の女将がチリンチリンと鈴を鳴らすと、ボーガンや散弾銃を持ったハイエナのボーイ達が矢や弾でとどめを刺し、待機させていたトラックで運び去るのであった。
ターン!ターン!と、あちこちで銃声が響く。
トラックには、「畜生界ニコニコ人肉ミート」とエンブレムがあり、羊の頭をしたドライバーが運転している。ボーガンや散弾銃で撃たれた彼等は、人肉ハムや人肉コンビーフの類いになるのだろう。
私はまた、カウンターに目を移した。
豚のシェフは、少女の脚をチェンソーにて骨盤の処から切り離し、その二本の脚をさっさと湯通しすると巨大な皿に盛りつけた。
「へいっ、人足二本お待ちっ!ブヒブヒ」
「少女の脚は、肉が柔らかい。これが堪らんのだよな。グルグルっ」、
熊沢さんは、好物なのだろう、口から鮮血を垂らしながら目を細めて齧り付いた。
私は、すっかり毒気に充てられ、正気と食欲を失った。
畜生界の食堂に入ってみた。
中は、意外な広さで東京ドームの数倍、いや数百倍の広さはありそうである。外観では、ちっぽけなプレハブ小屋に見えたのに。
「いらっしゃい。ニャー」
頭が猫の型をした、中年然とした愛想の良さそうな女将らしい者が、入り口に立って居る。暑いのか、時々平皿にいれたトマトジュースのような生臭い赤い液体を舐めて居る。リアル招き猫だ。
「料金は、前払いだニャー」
入り口から、入る者どもは猿の政治家紙幣を女将に払って入場する。
一歩足を踏み入れると猛獣の匂い、あちこちから猛獣の唸り声が聴こえる。まるで、食堂というより動物園の雰囲気だ。
畜生界に居ても、重労働をすれば腹が減る。私は、招き猫女将に料金を支払うと早速にカウンターに座った。
カウンターは、オープンキッチンで中の調理場の様子を一望できる。カウンターは勿論横一列なのだが、入り口付近からゆっくりとカーブを描きながら、万里の長城よろしくあちらの先が見えないほどに長大である。
私は、スーツ姿の上品そうな客の傍に座ってみた。汗みどろな作業着の自分が恥いる位の高級スーツに身を包んでいるのだが、頭が熊なのである。
「あら、熊沢さん久しぶり。今日は何に致しましょう?ブヒブヒっ!」
豚の頭をしたシェフが揉み手をしなが、近づいて来た。喋るたびにゴミ箱のような口臭がカウンター席にまで臭う。
「まず、お通しにコブクロのサシを頼む。それから、人足を二人前…がルルっ!」
熊沢さんの唸り声が、カウンター席に響く。
「おお、お目が高い。流石は、熊沢さん。いい出物が入ったばかりなんですよ。ブヒブヒ」
シェフは、死体安置所のような冷蔵庫の引き出しを開けると少女の遺体を取り出して、肉切包丁で解体し出した。
シェフは、少女のお○んこに包丁を突き立てると、「まだ処女だな、ブヒブヒ」と呟き、鮮血を飛び散らせながら、子宮を取り出すと葱を散らして皿に盛りつけた。
「へい。コブクロのサシ。処女の子宮だから新鮮だよ、ブヒブヒ」
豚のシェフが笑みを浮かべて居る。
「これが、たまらんのだな。ガルガル」
熊沢さんは、それを一口で食べてしまった。
気がつくと、あちこちにつるされている肉は獣肉のハムソーセージの類いではなく、人間の遺体の肉を熟成させたものであることに気が付いた。
私は、正視に耐えられなくなり、後ろを振り向いた。
背後の50mプールのような巨大な卓には、新鮮なフルーツや美味しそうなジュース、カクテルのような飲み物までが山と積まれて並んでいる。
「おおっ、やっと人間らしい食べ物に出会えた」
自分と同じような労働者達が、フラフラと卓に近づいてゆく。そして、西瓜の切れ端に手を伸ばし食べ始めた。
すると、何処から飛んで来たのか。頭に角が生えたカブトムシのような漢が来て、労働者の尻に角を差し入れるとやっとばかりに戸外に跳ね飛ばしてしまった。
わーっ。
頭からハサミが突き出たクワガタのような漢に腰を挟まれ鯖折りされたような状態になり、腰骨をバキバキと砕かれて居る者もいる。
ギャー。
これらの戸外に放り出された者、ハサミで腰骨を砕かれた者達は、瀕死の状態になるのであるが、猫の女将がチリンチリンと鈴を鳴らすと、ボーガンや散弾銃を持ったハイエナのボーイ達が矢や弾でとどめを刺し、待機させていたトラックで運び去るのであった。
ターン!ターン!と、あちこちで銃声が響く。
トラックには、「畜生界ニコニコ人肉ミート」とエンブレムがあり、羊の頭をしたドライバーが運転している。ボーガンや散弾銃で撃たれた彼等は、人肉ハムや人肉コンビーフの類いになるのだろう。
私はまた、カウンターに目を移した。
豚のシェフは、少女の脚をチェンソーにて骨盤の処から切り離し、その二本の脚をさっさと湯通しすると巨大な皿に盛りつけた。
「へいっ、人足二本お待ちっ!ブヒブヒ」
「少女の脚は、肉が柔らかい。これが堪らんのだよな。グルグルっ」、
熊沢さんは、好物なのだろう、口から鮮血を垂らしながら目を細めて齧り付いた。
私は、すっかり毒気に充てられ、正気と食欲を失った。