ｌｏｎｇ　ｎｏｗ（宇宙の秘密Ⅰ）

ドアを開け

右足から宇宙へ


帰る場所がなくなったって　かまわない

そんな気持ちで歩き出す


歩き疲れたら　広場を探そう

両足を投げ出して　仰向けに寝転ぶんだ

両手を枕の代わりに　星空を見上げよう

疲れが抜けていく　足の裏がジンジンしている　

自分の足じゃないみたいだと思う　たぶん


このまま　寝てしまおうか

何百年でも

何千年でも

何億年でも


キミのことを考えながら

朽ちてゆけるのなら

化石にでもなれるのなら

それはそれで悪くない


天の川銀河を星が渡っていく

無限の時間が流れていく


ドアを開け

右足から宇宙へ


今夜　

いくつかの星々が軌道をはずれる


バイバイ

遠い日々へ　

帰ることのない旅に出る


夜は青く待っている