おやすみ宇宙(宇宙の秘密Ⅱ)

文字数 313文字

キミの住む星に 月が昇り

誰もが眠りにつく頃

枕もとのラジオは

真空管をほのかに灯しはじめる


同じ夜 ボクの星には

物理の時間がやってきて

無数の粒子が降り注ぐ

そのいくつかは

オルゴールの櫛歯を弾き

キミの星へとメロディを運ぶ

キミのラジオは 

小さな周波を探し当てようと

じっと耳を澄ます


お やす み 宇 宙

お や す み宇 宙


Pi … Pi Pi Pi Pi……

枕に顔を半分埋めるキミに

Gee… Ge Gee Gee……

ノイズの混じったメロディを

小さく歌いかける

子守り歌?

ちょっと違う


お や す み 宇 宙

さ よ な ら 宇 宙


キミが夢を見る頃

ボクの星は

キミから 遠く離れていくかもしれない

もしかしたら 宇宙の淵に消えているかもしれない





ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み