(二)-13

文字数 269文字

 千代のことを頭から足までなで回すように一通り見た後、一階の奥の方を案内された。ぶっきらぼうな口調だったが、まあ役所の人はだいたいそんな感じの人が多いだろうと思って気にせず奥へ向かった。

 「生活保護課」と書かれた看板の前にはブースが二カ所あり、どちらも既に埋まっていた。その前の廊下には長いすが置かれ、そこに大勢の人が座っていた。
 ブースの脇にあった番号札をとろうとすると、カウンターの中で通りかかった女性が「ご相談ですか」と声をかけてきた。そのため「ええ」と返事すると、発券機から二カ所出ている番号札の片方をとって渡してくれた。

(続く)
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