第4話 山籠もり
文字数 658文字
「なに、熊を退治に山に籠りたいと」
翌日、屋敷に帰ってすぐ八作は熊退治のため山に籠りたいと旦那様に告げた
「自身の両親を襲い、今後領地でこのようなことが増えるのは見過ごせません」
仇討ちのため、今後のため倒さねばならるという決心。この気持ちに嘘偽りはない。
ただそれと同じくらい、野生の獣の強さに惹かれ倒したいという気持ちもあった。
「そうか……。」
旦那様は少し考えこみ、
「領地にきてあばられても困る。それに熊を倒したことがあるというのは君へ更なる手柄となるだろうしな」
「ありがとうございます。」
深く頭を下げ、目線を上げた。上げた先、旦那様は部屋から出ていこうとしており、一言
「少し待っておれ」
と返した。
幾分かたったころ、旦那様は何本かの刀を持ってきて、床に置いた。
「この刀を持っていきなさい」
持ってきた刀は似たような刀10本と、明らかに様相の違う1本があった
旦那様は似たような10本の刀のほうを向き
「この10本は修行用に使うといい。前の戦で大量に仕入れたものだ。お前は木刀での修行も多くあまり刀は使ってこなかったから練習するといい」
続けて残りの一本に顔を向け
「この1本は本当に戦うことになったときに使うといい。名のある刀工にたたいてもらったものだ。銘はないが切れ味は鋭いぞ」
「熊はお前が思っている以上に強い。過去にも領地に出たことがありその時は甚大な被害となった。心してかかるといい」
旦那様が神妙な面持ちで放った言葉に、自身もそれに応えるように返す。
「必ずや倒して見せましょう」
翌日、屋敷に帰ってすぐ八作は熊退治のため山に籠りたいと旦那様に告げた
「自身の両親を襲い、今後領地でこのようなことが増えるのは見過ごせません」
仇討ちのため、今後のため倒さねばならるという決心。この気持ちに嘘偽りはない。
ただそれと同じくらい、野生の獣の強さに惹かれ倒したいという気持ちもあった。
「そうか……。」
旦那様は少し考えこみ、
「領地にきてあばられても困る。それに熊を倒したことがあるというのは君へ更なる手柄となるだろうしな」
「ありがとうございます。」
深く頭を下げ、目線を上げた。上げた先、旦那様は部屋から出ていこうとしており、一言
「少し待っておれ」
と返した。
幾分かたったころ、旦那様は何本かの刀を持ってきて、床に置いた。
「この刀を持っていきなさい」
持ってきた刀は似たような刀10本と、明らかに様相の違う1本があった
旦那様は似たような10本の刀のほうを向き
「この10本は修行用に使うといい。前の戦で大量に仕入れたものだ。お前は木刀での修行も多くあまり刀は使ってこなかったから練習するといい」
続けて残りの一本に顔を向け
「この1本は本当に戦うことになったときに使うといい。名のある刀工にたたいてもらったものだ。銘はないが切れ味は鋭いぞ」
「熊はお前が思っている以上に強い。過去にも領地に出たことがありその時は甚大な被害となった。心してかかるといい」
旦那様が神妙な面持ちで放った言葉に、自身もそれに応えるように返す。
「必ずや倒して見せましょう」