6月16日(説明)

文字数 482文字

6月16日
病院に行くと病院から指定された時間より30分以上前ではあったが既に母が受付の前の椅子に座っていた。声をかける、受付で来訪を告げるかと提案したが母はさすがに早すぎるのではと気にするようだったので少し待つことにした。
15分待ってそろそろいいかと受付に申し出る。受付から許可証をもらい、父が入院している2階にエレベーターであがると看護師さんが待っていた。
部屋に通されると既に父は先生の前に座っており、一言「元気かい?」と声をかけた。癌患者に元気も何もないと後から考えると思ったが、その時はこの言葉しか出なかった。
胃の中の写真を見せられた。前の病院でも言われたことだが胃の出口付近に癌の病巣があり、食べ物が通る際には影響するとの事だった。また病巣近くにリンパ腫は確認できないが、腹水が見られることから腹膜播種(ふくまくはしゅ)の疑いがあるとの事だった。聞きなれない言葉に先生に聞き返したところ、癌細胞が内蔵の中にばらまかれた状況の事を言うらしかった。
そして先生の話では、これから外科のある同系列の病院に転院して開腹手術をして状況の確認と対処を考えるとの事だった。
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