10月9日(外泊)

文字数 991文字

10月9日
 先週の水曜日に入院後初めて面会に行くというところまで記したと思う。今日はその後について話したいと思う。

 面会に行ったのは10時だったが、その前に父が朝食後の飲む薬を喉につかえさえて咳と嘔吐が止まらなくなり大変な状況に陥ったらしい。ただ聞くと粉にした薬が飲んだ後に喉にまとわりつく感じが嫌で、粉ではなく粒でと看護師さんにお願いしたのだが、その粒が飲み下せず咳と嘔吐が止まらない状況に陥ったらしい。実は入院前にも父は同じような事で私の在宅時にも薬を喉につかえさせて咳と嘔吐が止まらない状況に陥った事があった。

 それにはある理由があった。15年程前、父は上咽頭ガンを患い、北海道癌センターの放射線治療でⅣステージから根治したという病歴があった。その際の放射線治療の影響で父曰く、唾液が以前よりでなくなったという事だった。これも父曰くであるが、だから薬が飲み込みずらくなったという事だった。実際には薬は水と一緒に飲むので仮に唾液が出なかったとしても薬を飲み込むのに影響が出るのかは分からないが父はそう信じていた。

 そしてここからが問題なのだが、そういって錠剤の薬は飲み込めないと不平を言いつつ、自分からすすんで苦しむ事態を招くことがあった。例えば家でももらった錠剤を擂鉢ですり潰して買ってきてあるゼリーを混ぜて飲めば苦しむことなく飲むことが出来た。ところが父曰く、急に「こんな小さな錠剤が飲み込めないなんて!」という衝動に駆られるそうで、そうなると錠剤をそのまま口に入れて水で流し込み、薬が喉に残り咳と嘔吐を繰り返す事になるのでした。

 先週水曜日の時も上述の通り、父は粉薬が喉に残るような感覚がある事から看護師さんに「粉薬ではなく錠剤にして欲しい」と頼んだそうです。その結果が咳と嘔吐。私は謝る医師と看護師に実は家でも錠剤を飲もうとして失敗し、咳と嘔吐が止まらないな状況になった事を伝えて、今後は本人が錠剤を欲しがっても安易に話を聞いて錠剤を与えないようにお願いした。

 話を戻すがその薬が喉につかえて大変になった事を除けば、意外にも父は少し元気になっていた。入院してからステロイド系の薬を飲み始めたという事だがそれが功を奏したらしい。今のところ腹部の痛みも限定的で病院からいつでも外泊は可能だと説明があった。父も一度家に帰りたいという話があり、今週の水曜日に外泊する事となった。
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