そして誰もいねぐなった

文字数 367文字

 名探偵ホズ田一(だいち)でんすけは、秋田の山奥にある小さな農村の村長から依頼を受け、かの地へと足を運んだ。

 なんでもその村では、村人が次々と行方をくらます、「神隠し」が起こっているという。

 村長はホズ田一にその謎を解明してほしいとの申し出をしたのだ。

 しかし、ホズ田一が捜査をおこなっている間にも、村人はひとり、またひとりと姿を消し、ついにはホズ田一と村長の二人のみが残された。

 すべてを悟ったホズ田一は、村長のもとへ詰めよった。

「村長、あなたはすべてを知っていた。そうですね?」

「ひとりぼっちでは、さびしいと思ってね……」

「神隠しの正体、それは――」

「ご名答。少子高齢化だよ」

「……」

 そしてホズ田一も消え、あとには村長だけが残された。

「そして誰もいねぐなった、てが……」

 その村長も消え、あとには誰もいなくなった――

 とっぴんぱらりのぷう
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