個人的自殺者

文字数 207文字

 スーツや制服に身を包んだ人達は、今日も血まみれの駅で電車を待っている。

 転落防止の柵から腕を出し、「個人」を線路に捨てて、電車を待っている。

 ホームに近づいた一号車は、線路上の「個人」を全て轢き殺し、血しぶきをホームに撒き散らした。

「社会」となった人達を乗せて、電車は今日も進む。

「個人」は何度でも蘇り、そしてきっと明日も自殺していくだろう。

 ちなみに、自殺率は年々減少していっているらしい。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み