第9話 馬に人参。空魚に…
文字数 230文字
☆
「エサを出せ~!!」
船長のドラ声が響いた。
「…浮餌1点! 正面上角30度!」
航海長が具体的な指示を引き継ぐ。
「正面上角30度1点!」
空夫たちが声をそろえる。
「…どぉりゃ~…!!」
餌出し竿の長大な重量を、掛け声そろえて、せ~の!で押し出す。
餌が高く浮いた。
眼前に現れた大好物に。
半睡中だった空魚は、カカッ!…と、両眼を見開いた。
広大な脇ヒレを、大きく動かす。
魚体が空に浮き。
魚体に繋がれた、船体もふわりと動く…
出航だ!
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