第19話:ETF投資と花見

文字数 1,752文字

 しかし、米国経済の減速懸念を背景に円相場は、その後も80円近辺まで上昇。1995年4月に付けた戦後最高値」に迫った。輸出企業の業績など円高による景気への影響を懸念し日銀は10月5日、ゼロ金利政策の復活など包括的な金融緩和策を決定。

 国債に加え、不動産投資信託「Jリート」など幅広く、リスク資産を買い取る基金も創設し、デフレ克服への取り組みを強化した。里見義彦は、この不動産投資信託「Jリート」投資に興味を持った。

 2009年、欧州16カ国で構成されるユーロ圏では、財政赤字急拡大に見舞われたギリシャが5月、アイルランドも11月に欧州連合「EU」や国際通貨基金「IMF」などの緊急融資を仰いだ。

 その後も信用不安は、ぬぐいされず、ポルトガルなど南欧諸国への波及が懸念された。金融危機をきっかけに財政が悪化した一部ユーロ圏諸国では、国債利回りが急上昇。

 その中でも、財政赤字統計の大幅修正を繰り返したギリシャと銀行危機に陥ったアイルランドが市場の信頼を失い支援要請に追い込まれた。危機への対応をめぐり各国の足並みの乱れも明らかになり欧州単一通貨ユーロは円や米ドルなど主要通貨に対して急落。

 そして、里見和宏は同棲していた、泉堂明美さんと結婚を決意し、両家の両親にお願いし、2010年6月27日、近くの結婚式場で内輪だけで、結婚式をし新婚旅行は、行かないことにした。

 里見幸恵は、仕事帰り女友達と洋服や便利な小物を無印良品の店で買った。しかし、あまり繁盛してる感じはしなかった。それでも清潔感がある独特の雰囲気が、好きで、里見幸恵と会社の女友達は、足繁く通っていた。里見和宏は、ボーナスで証券口座残高を増やしていった。

 11月23日、北朝鮮が韓国西方、黄海の延坪島に80発の砲弾を撃ち込み4人が死亡、民家なども多数被害を受けた。北朝鮮は、韓国側が定める海上軍事境界線を認めておらず、自らの領海内で韓国側が射撃訓練を行って挑発したのに対して反撃したと主張。

 韓国に対する攻撃は朝鮮戦争以来初。世論が激しく憤る中で、韓国は新たな挑発には徹底して反撃すると強調。米国と黄海で合同軍事演習を実施し、情勢は極度に緊迫た。冷静な対応を求める中国は6カ国協議首席代表会合の開催を提案したが、日米韓は開催に否定的な見解を表明。

 その後、2011年となり、日本初の不動産、金、原油、株指数に連動したETF「上場投資信託」が、新発売されるという情報が、証券会社から入った。そして、2月に、その勉強会に里見義彦が、招待され話を聞き多くの資料を持ってきた。

 その資料を読んで、個別株に投資するよりリスクが少ないと判断して父と長男と共に投資に興味を持った。その後、里見義彦が、証券会社の担当者と電話で、話し合って、米国S&P500に連動するETFに投資すると決めた。

 これについて里見市蔵も一緒に、やると語った。昨年から携帯電話を買っていたので、随時、電話連絡を取れる様になっていた。その後、4月には、慶子さんと俊子さんは、東京で有名な目黒川の桜の花見に出かけた。

 6月には、横浜の港の見える丘公園のバラを見に出かけ、その後、元町で、買い物をして霧笛楼で、素敵なランチを食べて、自宅に帰って来た。やがて、梅雨となり、あけると一気に暑くなった。

 暑いので、室内でクーラーをかけて冷たいものを飲んで過ごした。曇りで涼しい日は、東京競馬場、中山競馬場へ出かて、競馬を見て楽しんだ。もちろん、費用は、自分たちで出していた。

 そのため、文句を言われることはなく、お土産を買って行けば、父の市蔵さんが、喜んでくれる事が多かった。そして秋になり11月下旬、横浜の山下公園の周りのイチョウ並木が、一斉に黄色に色づいた。

 その街路樹を見ながら散歩して少し疲れると、近くのホテル・ニューグランドで、オシャレに紅茶を楽しんで、元町まで足を延ばし、素敵な洋服を見て、たまに買うのが楽しみであった。やがて12月が、足早に過ぎ2010年を迎えた。

 この時の話題は、日本航空の倒産の話だった。1月19日、会社更生法の適用を東京地裁に申請、経営破綻。負債額は約2兆3000億円と事業会社では過去最大であった。まさか、日本航空が潰れると思わなかったので里見夫妻も驚いた
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