交流の祝杯

文字数 382文字

東京ドームの屋根がその翼を開くと、一隻の宇宙船がピッチ目掛けて降下した。
『ビト星人の来訪に拍手!!』
着陸時の轟音もすさまじかったが、観客の歓声はそれをかき消すほどの勢いだった。
船の扉が開くと、地球人と星人の代表が中央で向き合った。

「長旅ご苦労様でした。またこうしてお会いできるとは」
「こちらこそ迎え入れていただき光栄です」
「ビト星探索であなたたちに出会えたとき、他人ではない縁を感じました」
「我々も来る途中、我が星に似た自然・文明・生命体に、何か運命を感じました」
挨拶が終わると、代表はそれぞれグラスを渡され酒が注がれた。
『それでは、これからの両星の輝かしい交流と発展を祝して乾杯!!』

アンセムが流れ、二人はカチンとグラスをぶつけた。
地球人代表はぐいと酒を飲みほしてニコリとすると、
ビト星人代表も、同じくグラスごと口に放り込むと、バリバリと音を立てながら微笑んだ。
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