文章・物語

文字数 1,944文字

書くことは好きだ。
自分の目に世界がどんな風に映るのか、それを他人と分かち合いたいから僕は何かを書いてきた。それを絵で表現するのが一番だと思ったが、絵の才能がないのは幼児園の時から気付いていた。だから僕は自分が感じ取った美を、言葉で表現したいと思った。
子供の頃の自分はとにかく風景について書くことが好きだった。作文の課題が苦手な人は結構いるんだが、僕は好きだった。自分の気持ちや風景とかを書くのが得意だった。しかし人物像や評論は苦手だった。その理由を、僕なりに考えた。人物像が苦手だったのは、本質的に他人に興味がないからだ。評論が苦手なのは、堅苦しい表現が嫌いだったから。
文章は、引いては言葉は自由に表現すべきだ。僕は自由気ままに文章を書くことが好きだった。思い付いた言葉をひたすら書いて、文脈などあまり気にせず書くのが好きだった。つまり自分は論理的ではなく、感覚的に文章を書いてきた。文章を書く際、プロットをまず書いておけと昔はよく先生に言われたが、そういうのを一切やらなかった。今まで書いてきた物語も、プロットなどなく、ただ思い付いたことを書いてきた。

物語を書くということは、自分の魂との対話であると僕は思った。僕の場合、今まで経験してきた物を、思ってきた物を、理想の自分を、ありのままの自分を、そして欲望を、そういった私的な物をいっぱい盛って物語を書いてきた。
物語を書き始めたのは、小五の時からだった。SNSで付けた名前を物語風に考えて、数百字の物語を書いてみた。今にして思えば、具体的な物を何一つ書けていなく、プロットみたいな物だった。
中学に上がった頃、短編小説に挑戦した。SNSで付けた名前を物語にしたのは変わりないのだが、今度はちゃんとした物語にした。一万字近く書いた物語はブログに上げて、友達に見せた。まあまあ評価されていたかいなかったかはよく覚えていないたけど、その小説を未だに読み返す勇気はなかった。青かった自分を思い出して恥ずかしいからだ。いつかは長編小説に挑戦してみたいとも思った。ちょうど中二の時期から、天使という物に妙な憧れができて、そして自分の中に眠る別人格とかもよく妄想していたから、二つのネタを合わせて天使物語を考え始めた。結局中学の時に書けていなかったものの、そのアイディアはいつまでも忘れられなく、頭の中で物語の細部について色々考えていた。試験で時間が持て余したら下書き用紙にその物語の断片みたいな物も結構書いたりした。
高校に入り、寮住まいになって、娯楽の少ない学校生活に纏まった時間ができて、ほどほど暇を持て余した。前々から考えてきた物語を書いてみようと思って、『片翼の天使』という小説を半年かけて、7mm30ラインのノートブックを一冊くらい埋めた。もっとも、書き上げた物語はあくまで一巻目的な感じで、まだまだ終わっていなかった。その後の展開は深く考えておらず、途中でもっと書きたい物語ができてその天使物語をほったらかした。未だに完成できていない、やや残念な物語である。去年ぐらいでその物語を思い出して、どうせ新しい物語がまだ書けないから、昔書いた物語を見直して書き直そうという思いであれを書き直してみた。大体十万字くらいに書き上がったところ、肝心な部分まで進んで、納得の行く続きが思い付かず、また中途半場に棚上げした。小説を本気に書き始めてきた物語だったから、初心を残念な形で終わらせたくないから、いずれはその先を書いてゆく気持ちでいた。
二つ目の長編小説は時を操る異能者の物語だった。異能系ラノベが流行っていた時期だったから、漫画やアニメにも多く出て、その影響で書いた物語だった。前作同様、7mm30ラインのノートブックを一冊くらい埋めた。大人になって読み返してみると痛々しくて堪らなかった。
その二冊のノートブックは未だに蔵書と共に部屋の隅に眠っている。高校で書いた物は三冊あったが、最後の一冊はデジタル化した後紛失した。
未だに持っている二冊↓

三つ目の長編小説は『青空』という青春物語だった。タイトルの出処はテレビアニメ『AIR』の挿入歌だった。所謂泣きゲーのアニメ化作品にハマっていた時期だったから、自分もそれっぽい小説を挑戦してみようという思いで書いた小説だった。主人公の一人の名前は「千里空」という。ここ十年は我がSNS名前として定着していた名前だった。その物語はある意味、後ほど『橋の彼方』という作品のプロトタイプであると思った。それほど完成度の高い作品とは言えないが、それなりに気に入っていた作品である。いずれ日本語に書き直したいとも思っている。
まあ、そんな感じで高校に書き上げた物語その三つだった(その内の一つは未完成だったが(>_
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