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文字数 565文字

「ねえ、『熊おじさん』って、何者なの?」
 王宮に来た翌朝にボクの子分にした侍女軍団に1人1人聞いてみたが……。
「う……噂だけは……」
「な……何か、酒場街とか、いかがわしいお店を仕切ってるとか……」
「何で『熊』なのかは……良く知りません」
 どうやら、この王都の裏社会を仕切ってる大物らしいけど……何で、隣国の王子様(本物)が、そんなのに人質にされたかは全く判らない。
 そして、夕食時……。
「お姉様……今晩も私の背中を流して下さる?」
「え……ええ……」
「あの……お嬢様……」
「何?」
「いえ……何でも有りません」
「どうしたの……? 変なエイミー」
 大丈夫な筈だ。
 相手は本物の王女様。
 しかも、下品な言い方をすれば「まだ初潮も来てないような年齢」。
 いくら迫られても断わる理性は……。
 断われなくて、しかも、それがバレたら……絶対に一族郎党全員打首だ。
「あ……あの……侍従武官のウシャス様より、ソーマ王女殿下に伝言が……」
 その時、王宮内の連絡係が入って来た。
「あ……あの……王女様、この人、見た事有ります?」
「あ……あるけど……? どうしたの?」
 今度は本物らしい。
「ウシャス様は、国王直々に御命令があった緊急任務の為、明日より数日間、殿下の武芸の御指導が出来かねるとの事です」
「どうなってんのよ? 熊だか、ヤクザだか、1人に……?」
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