第6話

文字数 238文字

 その切ない声をきいては、愛しさのあまりオレはアオイを抱えなおして、その可愛い頬に初キスした(オレはまだ彼女の唇にキスしたことがない)。
 そのとき背後上空に、消えたかと思っていた蚊の集合体が巨大な球形を成し、もはや爆音とも表すべき羽音を轟かせて再登場した。
 彼らは空腹のためにどす黒い怒りの情念にとらわれており、いままさに人間襲撃への急降下をしようとしていた。
 オレは目についたラーメン屋の入り口に走った。
 そのドアには
〈ここを通り抜け不可能〉〈思いとどまるラスト・チャンス〉
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