ちいさいあなたをまもらなければならないのに!

文字数 1,607文字

あなたが生まれてからしばらくは、
母はあなたが息をしているか、元気なのか、
自分のせいで苦しんだりつらかったりしていないか、
毎日ハラハラして過ごしていました。

いくつか理由はありますが、
産後すぐに病院で使っていた新生児ベッドに
センサーのパッドが敷かれていて、
あなたの状態を確認できると聞かされて
それだけ不安定な状態だと知ったのは大きいです。
あなたを抱き上げるときにはスイッチをオフにしないとアラームが鳴るのですが、
呼吸に異常があった場合などもなんらかわかるようで、
退院してからも「あのベッドとセンサーがあれば…」としばしば不安でした。
猫がいるのでベビーベッドを使っていましたが、
ベビーベッドで事故が起きた記事を夫婦で読み漁り、
気をつけようと強く思うだけでなく、
何かあったらどうしようと不安が続きました。
目覚める度に真っ先にあなたの状態を確認しました。

最近のあなたはそれはそれはおしゃべり上手で、
「〇〇したかったの」とか「かなしいー」とか
本当かわからないときもときどきありますが
いろいろな状態を教えてくれます。

それで、少し安心しすぎていたと今日思いました。

帰宅してすぐに、何年も前からの癖で
猫に「〇〇、携帯どこか教えてー」と言うと
テレビをみていたあなたがすぐに来てくれて
「ちぇーたい?」と、近くを見回してくれました。
なんて優しいのだろうと感激し、しかも携帯はすぐ側にあったので、
「あったよ、ありがとう!」と言いましたが
あなたが日に日に優しい人になっていくことを
意識しなくてはと思いました。

と、いうのは余談で、身が引き締まる思いをしたのはその数時間後です。

お風呂の湯船からあがり、いつものようにあなたの身体をシャワーで流していると、
あなたがニコニコとなにかふざけている様子で話していました。
改めて聞きながらシャワーの温度を確認すると、
水温が水になろうとしていました。
あなたは「なんかちゅめたい」みたいなことを言っていたと思います。
母は慌ててシャワーをあなたから離し、水温が戻ってから改めてあなたの身体を流して温めました。
シャワーの水温がたまに低くなることがあり、あなたを流す前にはいつも確認しているのですが、まさかその後温度が下がるところだとは思っていませんでした。
動揺していたせいか、水温が戻るまでの体感時間は数分くらいに感じましたが、それほどではなかったと思います。

何度も何度も謝りながら、
それでもずっとニコニコしているあなたをみて、
まだちいさいあなたは多少の異常も笑って済ませてしまうのだと思うと心の中で自分を何度も何度も叱りました。
改めて、あなたにつらい思いをさせないように、
あなたが健康でいられるように、
母は気をつけなくてはと思いました。
そして改めて、起きてはならないことをあなたにも少しずつ伝えようと思いました。
母が注意してもしきれないときがあるかもしれないですし、
母以外の人がたまたま間違えてしまった場合にはやはりあなたにあなたを守ってもらうしかないからです。

あなたが本当に大切です。
元気に楽しい人生を歩んでほしいです。
いろいろ難しいことも伝えるかもしれませんが、
また、もしかして謙虚なあなたはそれを他人に言いづらいときがあるかもしれませんが、
どうかあなたにもあなたを大切にしてもらいたいです。


今回はあなただけでなく、すべてのかわいい子供さんたちに本当は伝えたいです。
世の中にはかなしい事件や事故がいくつもあります。
自分のおかれている状況がおかしいと気付いて、
自分ひとりでそこから抜け出せないときには他人にそれを伝えられますように。
おかしい状況を我慢したり笑ってごまかしたりする必要はないのです。
念じることしかできませんが、どうかみなさんがそれに気付いて声をあげられますように。

親がかけるシャワーの水が冷たいときは
真顔で「つめたい!」て言ってください……ッ!!
わたしは反省してこれからたくさん気をつけます!!!
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