第5話

文字数 536文字

(ま、しょうがないか)そう思っていると三屋は、あることに気がついた。
「あれ?君、ブラッドだったりする?」
女の子はびっくりしたようで、目を見開いた。
「ど、どうして」
小さな声でそう言うと三屋はつないでいた手を離し、両手を大きく広げた。
「ブラッドはね、ミートと比べて器が大きいんだ。ギフトの量の違いはあんまりないけどね。だから、制御は難しいんだよ」
三屋は女の子に手招きし、二人だけで手をつないだ。
「そういう子にはっ、これが一番っ」
自身のギフトを女の子に流しているのだろう。三屋は苦しそうな顔を浮かべながらも笑おうとしていた。
「あの、ごめんなさい」
女の子は三屋の苦しそうな表情を心配し、手を離そうとした。
「大丈夫、大丈夫。このくらい日常茶飯事だよ。
それより、ギフト、なんとなく感じてこない?」
女の子はそこで、自分の手に何か得体のしれない温かいモノが流れてきていることに気がついた。
「え、これが」
三屋はにこりと笑い、手を離した。そして、また四人で手をつなぎ始めた。
「こうかな」
女の子は隣の背の高い男にそれを流した。
「上出来」
三屋が褒めると女の子は嬉しそうに笑った。
「ん?どれだ?」
男は分からないらしい。目を閉じ、頭を傾けながらギフトを探る。
「いたいっっ‼」
やっと感じられたらしい。
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