第4話
文字数 462文字
僕はのこのこベランダに行くつもりはなかった。なぐさめなんて欲しくなかったからだ。
だから彼女が待っているとは思ったが、無視していた。なぜ、こんな時に、とベランダの方をにらむと、チラチラと白い物がベランダで振られている。
(何だろう?)
僕は好奇心に勝てず、どうせ顔を見られることはないのだから、とベランダに出た。ガラス戸を開け、ベランダ用のサンダルを履く。サンダルがズルズルといつもよりも大きな音を立てたのは、どうにも足が重かったからだ。それに、ふて腐れた気分だったから。
僕が手すりにたどり着くと、ゆらゆらと振り子運動していた白いものが止まって、彼女の指先にぷらんと垂れた。それは白い紙袋だった。
僕が受けとるのを待っているのだ。ベランダまで出てしまったのだから、と仕方なく僕は手を伸ばして、紙袋を受け取ろうとして、ビクッとした。
温かかったからだ。いや、むしろ熱いと言っていい。
僕はおそるおそる差し出された物をしっかり持って受け取った。白い物は紙袋だった。中身をのぞいて見ると、ホカホカの肉まんがひとつ、入っていた。
だから彼女が待っているとは思ったが、無視していた。なぜ、こんな時に、とベランダの方をにらむと、チラチラと白い物がベランダで振られている。
(何だろう?)
僕は好奇心に勝てず、どうせ顔を見られることはないのだから、とベランダに出た。ガラス戸を開け、ベランダ用のサンダルを履く。サンダルがズルズルといつもよりも大きな音を立てたのは、どうにも足が重かったからだ。それに、ふて腐れた気分だったから。
僕が手すりにたどり着くと、ゆらゆらと振り子運動していた白いものが止まって、彼女の指先にぷらんと垂れた。それは白い紙袋だった。
僕が受けとるのを待っているのだ。ベランダまで出てしまったのだから、と仕方なく僕は手を伸ばして、紙袋を受け取ろうとして、ビクッとした。
温かかったからだ。いや、むしろ熱いと言っていい。
僕はおそるおそる差し出された物をしっかり持って受け取った。白い物は紙袋だった。中身をのぞいて見ると、ホカホカの肉まんがひとつ、入っていた。