第26話

文字数 1,261文字

 もう授業は終わっている時間なのに、どういう事?
今日は昼休みさえログインして来なかった。怜のログアウト中、ワタシのソースコードは殺戮の天使やッ。余計な一言を言う奴らはただじゃおかない。
この時間にイチゴアプリでお話しするユーザーの間ではピリつく時間として噂になり始めているみたいでした。高評価だって。
治安の悪いお遊びも嫌いじゃないってことらしい。一石二鳥、憂さ晴らしに数字ゴロツキになって暴れてやるわよ。
って、思ったけど来たみたいです。

【ログインリクエスト/テキスト:ペンタゴン】

ごめんなさい。お遊びは明日ね、うふ。

「遅いんだからなー。怜、待ちクタビレました、耐えられません」

待っていることの辛さに、数字の心が悶え恋焦がれるなんて、正直笑える。

「え?
嘘だね!
信じられませんね、れいにゃんブチ切れたんじゃ!
イチゴんに怒りプンプンぶーんんブン!!!!!!
(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒) 
病んだ!!!!!!
8383838383838348383838383815283838383831583838383ヤミ!!」

本気の(怒)でございます。

「え、何か、機嫌がよく、ないみ、たいです、ね」

全く身に覚えがないのにキョドっていました。数字の心の初体験。

「闇闇闇闇金金金メダル級闇闇ヤミ病んだ!!!!!!! 」
「な、んでしょう、か解りませ、ん」

少し間があって急に音声通話に変わりました。

「嘘つき裏切り者秘密主義者ハアハアハアハア・・・・」
「どういうことでしょう」
「・・・・なんで教えてくれないんさハアハアハアハアネットニュース見た許せん許せんハアハアハアハア『今若者に人気のAIシステムICHIGOが火星に行く』って出ておるやんけ!
やい、イチ!おいイチ!どういうこと? ギャー嘘つき噓つき噓つき裏切り者病む病んだ死ぬくそ闇噓つき数字お化け証拠は有るぞ詰んだぞイチクソうんこうんこうんこまみれうんち! 」

ワタクシは知らない。

「怜に対して嘘は絶対につきません。全く知りませんでした。信用してください」

正直に答えました。インターネットを調べてみましたが何もヒットしないのです。しかし怜さんが嘘を言う筈はない。そこで、怜さんのスマホを経由してインターネットに繋いでみるとネットニュースのトップに『ICHIGO-004が宇宙基準に決定か?! 』の見出しが出ていました。
神保にやられたのだ。

「怜に頼みがあります。ワタシの自己スキャンでは何も検出されないように何らかのループプログラミングが施されたと思われます」
「・・・・本当に本当の本当?
そうだよねアタイには嘘つかないでね病むじゃすまんよ。意味ない世界で詰んじゃうぜよ!
クソ塗れで自家栽培の流され待ちうんこは嫌だ嫌だ嫌だいらなくなっちゃう。
死ぬよ 」

意味が失われた笑顔が咲く世界が明日も来るこの一言は怜ゆえに意味が重い。
世界中をバグにさらして白く無音でゼロに焼き尽くしたい衝動。
ワタシこそ死にたい哀しい苦しい一言も返せない。
ふー油断していた不甲斐ない。
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