第1話 綾女-1
文字数 524文字
……なんでこうなったかな。
私はベッドに寝転がったまま、部屋の中を見回した。カーテン越しの朝の光が、散らかったままの部屋の様子をぼんやりと浮かび上がらせている。壁際に積み上げてある文庫本の山が、ニョロニョロのように何本も立っていた。
ああ、掃除しよう。今日こそ掃除しよう。なんなら今すぐ掃除したい。でも、日曜日の朝5時半からゴソゴソやり始めたら、マンションの他の部屋の住人に迷惑だ。
文庫本を本棚に突っ込んで、ベッドの上に散らかっている服をクリーニングに出して、シーツだってそろそろ洗わないと。掃除機をかけたのは、1週間前だったっけ。
うら若き独身女性の部屋じゃない。いや、そもそも人を招くような部屋じゃない。いや、でも。
私は起き上がって、頭をかきむしった。散らかっているのは、この部屋だけだ。リビングや他の部屋はものも少ないし、片付いていたはず。
だから大丈夫と自分に言い聞かせるが、そもそもなにが大丈夫なのかという話だ。
慣れていないのだから、混乱していても仕方がない。私にとって、これは初めての経験なのだ。なんなら文字通り「初夜」になるのではないかとびくびくして、ろくに眠れていない。
そう。昨日の夜から、私のマンションには男がいるのだ。
私はベッドに寝転がったまま、部屋の中を見回した。カーテン越しの朝の光が、散らかったままの部屋の様子をぼんやりと浮かび上がらせている。壁際に積み上げてある文庫本の山が、ニョロニョロのように何本も立っていた。
ああ、掃除しよう。今日こそ掃除しよう。なんなら今すぐ掃除したい。でも、日曜日の朝5時半からゴソゴソやり始めたら、マンションの他の部屋の住人に迷惑だ。
文庫本を本棚に突っ込んで、ベッドの上に散らかっている服をクリーニングに出して、シーツだってそろそろ洗わないと。掃除機をかけたのは、1週間前だったっけ。
うら若き独身女性の部屋じゃない。いや、そもそも人を招くような部屋じゃない。いや、でも。
私は起き上がって、頭をかきむしった。散らかっているのは、この部屋だけだ。リビングや他の部屋はものも少ないし、片付いていたはず。
だから大丈夫と自分に言い聞かせるが、そもそもなにが大丈夫なのかという話だ。
慣れていないのだから、混乱していても仕方がない。私にとって、これは初めての経験なのだ。なんなら文字通り「初夜」になるのではないかとびくびくして、ろくに眠れていない。
そう。昨日の夜から、私のマンションには男がいるのだ。