第5話 テスト

文字数 8,114文字

 翌日の月曜日、少し朝早く起き、今日は俺が朝食作る担当なので弁当は軽く目玉焼きを作った。大抵俺がいつも作る朝食はこんなものだ。朝食を食べた後、杏果と家を出て学校に行った。
 今日は体がだるい日だなー
「おはよう」
 教室に着いた俺は圭に挨拶した。
「おはよう、なぁ聞きたいことあるんだけど!」
「なんだいきなり」
「おととい女子二人と出かけてたろ!」
「うん」
「あれはどういうことだ?」 
「どういうこともなにもショッピングだよ」
「いやいやそういうことじゃなくて、湊は女子とは関わりがなさそうなのになんでいきなり女子二人と買い物に行っているんだ?」
「まぁ幼馴染だよ、幼馴染と買い物行ってた」
 香織に関しては説明がめんどくさい上に、言ったところでさらにめんどくさそうだからいとこということにした。
「あやしいな、聞いたことないぞ、女の子の幼馴染が二人もいるなんて」
「そりゃ言ってないからな」
「まぁ彼女ではなさそうだな二人もいるし、うらやましいもんだな!女の子の幼馴染」
「・・・・」
 羨ましいも何も、俺はなんとも思わないのだがなー
「ん?待った、幼馴染の一人は確かに他のクラスで見たことあるが、もう一人は見たことないぞ」
「もう一人の子は中学生だからな」
「なるほど」
「両手に花じゃん」
「そういう関係じゃないから」
「ふーん」
 圭は女子との関わりがないらしい、女子とうまくしゃべれるようになったら関わりができるだろうけど・・・そんなことを思いながら一時間目の授業を受けた。

 キーンコーンカーコーン
 何となく授業受けていたら放課後のホームルームになった。
「みなさん、再来週から期末テストです。しっかりと対策しましょうね」
 !?!!?!?
 忘れていた。期末テストの存在を忘れていた。これからテスト勉強か、最悪だ・・・毎回赤点ギリギリで今回もやばい。
「圭、再来週期末テストだってよ」
 俺はホームルームが終わった後圭に話しかけた。
「俺はまぁ平気だな、ある程度授業聞いてるし。湊は平気なのかよ?」
「やばいよ、もうヤバすぎる。あんまりノート書いてないし」
「見せようか?」
「マジかよ、神じゃん!ありがとう!」
「いつものことじゃん」
「・・・・・」
 圭にノートを見せてもらいそれをスマホで写真を撮った。だが後でノートに写すかはわからない。とりあえず学校から帰ったら勉強しよう。
「ただいまー」
「おかえりなさい」
 2階に上がり部屋着に着替える。その時食事当番表が目に入った。
 あ、そうだ夜ご飯作らなきゃ、でも勉強が・・・
 一階に降りてキッチンの冷蔵庫を開け今日何作るか考える。野菜が少なくて肉はソーセージしかない。困ったな・・・買いに行く余裕はないし・・・
 そうか米はあるからチャーハン作ればいいか、具も少なくてもいいし。後は味噌汁でも作ろうかな。とりあえずチャーハンと味噌汁はすぐ作れるから勉強を少しやっておこう。
 すぐ二階に上がり自分の部屋に入って、勉強机に向かい勉強を始める。
 ・・・・・・・・・・・・
 いざやろうと思ったら何から取り掛かろうか、正直どれもめんどくさそうだ。
 ピコーン、カチカチカチカチカチカチカチカチ
 数時間後。
 あ、
 時間をふと見たらもう六時になっていてご飯を作らなきゃいけない時間になった。いつのまにか勉強もせずにコントロールを持ってゲームをずっとしていた。
 一階に降りてすぐに調理に取り掛かった。
「ただいまー」
 ちょうどご飯の支度が終わった頃、杏果が夕方の部活から帰ってきた。香織が配膳して、三人とも席に着いた。
「いただきます」
 さて今回のご飯はお口に合うだろうか。
「うまい」
「おいしいです」
「それは良かった」
「男っていう味付けだね、もちろんいい意味で」
「そう、味濃いめの男飯だよ!」
 よかったお口に合って。
「再来週から期末テストだよー今回いけそう?」
 杏果がテストのことについて聞いてきた。
「まぁ・・・キツイかな」
「そっかぁ・・勉強教えてあげよっか?」
「いいのか!?」
「その代わりにひとつ言うこと聞いてもらうけど」
「いいよ、内容によるけど」
「それは終わってから言う」
「なんだよそれー怖いなー」
「大丈夫たいしたことないから」
「本当かー?」
 ちょっと怖いが、背に腹は代えられないな。
「私の部屋で勉強するから後で来てね」
「わかった」
 今日はもう勉強はいいかなと思っていたが、なんとかやれそうだ。
「え、テストって何ですか?」
 香織が聞いてきた。
 そうか香織は学校行っていないからテストがわからないのか。
「テストは学校で習ったことがちゃんと身になっているか試験することだよ」
 そう俺は答えた。
「なるほど、それは大変そうですね。頑張ってください」
「おう」
 ご飯を食べ終わった後歯磨きをして、勉強道具を持って二階の杏果の部屋に行った。
「来たね」
「うん」
「部屋どう?」
 杏果の部屋はもともと物置だったところで、物を整理してなんとかこの部屋を空けることができた。そこがかなり女の子らしい部屋になっており、綺麗で、カーペットとカーテンも変わっている。
「綺麗にしてるね」
「そういうことじゃなくて」
「どういうこと?」
「・・・・・まぁいいや。勉強道具は持ってきたよね?」
「持ってきたよ」
「何からやろうか」
「日本史からで」
「英語が苦手なんだから英語からやったら?」
「たしかにそうだけどさーーてかなんで俺が英語苦手なの知っているんだ?言ったことないのに」
「あーー・・・・なんとなく?」
 杏果は少し焦っているような表情をした。
「・・・・そうか」
 何となくってなんだ?よくわからないが俺が苦手そうな顔をしているのだろう。
「じゃあ英語からやるか」
「それがいいよ」
 下のクッションにあぐらをかいて座り、低いテーブル上に英語の教科書を開き、配られたプリントを机の上に置いた。そして俺の隣に杏果が座った。
「とりあえず、長文はどんな内容か覚えてる?」
「あんまり覚えていない」
「じゃあ最初からの英文見て、わからないところをやろう。単語の和訳は見ていいから」
「わかった」
 杏果の通り英文を見る・・・・・
 最初っからわからない。もうやばいかもしれん・・・
「最初の文からわからないです」
「あ、そうね、わかった」
 一時間後・・・・
 なんとか教科書の一箇所は終わった。杏果の教え方がうまくて助かる。
「とりあえず英語は終わりにして、次はなにする」
「数学で」
「わかった」
「なんかさ、近くない?」
 杏果はかなり体を寄せてくる。
「え、こんなもんじゃない?」
「そうかな」
 まぁいいか。別に嫌ではないし。
 英語の教科書をしまい、数学の教科書やワークを出した。数学もすごく苦手だ。正直やりたくないがやらざるを得ない。しぶしぶワークを開いた。
「これも最初から解いてみてわからなかったら言って」
「了解」
 最初はなんとなく解けるので解いて答え合わせした。
 何箇所か間違っていて、何が間違っているか確かめるため答えの詳細を見た。
 ・・・・・・
 やっぱりそうだ。答えの式が省略されている。これじゃなにもわからない。ワークの答えの冊子については前々からむかついていた。
「ここわからない」
「ここはねー・・・」
 一時間後・・・
 コンコン
「お茶入りますか?」
 香織がお茶の差し入れを持ってきた。
「ありがとう、欲しいな」
「ありがとーー!」
 杏果はとても喜んでいる。
「お邪魔じゃなかったですか?」
「全然平気ーちょうど喉乾いたところだったよ!」
「そうですか、それはよかったです、勉強頑張ってください」
「おう」
「がんばるねー」
 香織は一階に戻っていった。
「お茶だしてくれるなんて、本当に香織ちゃんはいい子だねー」
 杏果は感心した。
「本当にそうだよね」
 俺も感心した。
 二時間後・・・
 なんとかワークの4分の1は終わった。杏果は数学も教えるのがうまい。本当に助かるな。
「今日はこんなもんでいいかなー」
「そうだね」
 計四時間くらい勉強した。いつぶりだろうかこんなにも勉強したのは。
「今日はありがとう」
 俺はお礼をした。
「また明日も頑張ろうね!」
「お、おう」
 こうして今日は無事勉強を終えることができたが、テストまでこれからも勉強しなければいけない・・・はやく終わらないかな・・・・・
 翌日・・・
「昨日は勉強できたのか?」
 昼休み、学校で圭が話しかけてきた
「ああ、できたよ」
「え?マジ!?いつも前日とかに勉強するのに、一週間前から勉強するとかどうゆう風の吹き回しだ?」
「まぁ教えてくれるやつがいてな」
「この前の女の子か」
「それはどうかなー」
「絶対そうだろ!うらやましいなー」
「いやいや、普通に勉強してるだけだから地獄だよ」
「は?女の子に教えてもらっているだけで最高だろ!お前、そこに座れ!」
「はい・・・」
 なぜかみっちり説教された・・・
「ともあれ、勉強しているならよかったよ。これからも頑張れよ!」
「おう」
 昼休み後に授業を二つ受け、放課後になった。まぁまぁ雨が降ってきた。今日は雨が降ったり止んだりで、朝は雨が降っていなかったが、傘を持ってきている。
「ちょっとまってー」
 学校の校門を出ようとした時、杏果が走ってきた。
「入っていい?」
「いいよ」
「今日部活は?」
「今日は雨だし、ないよー」
「そうなんだ」
「いやー助かった、傘持ってきてなかったからさ」
 杏果は少し濡れている。
「今日も勉強するでしょ?」
「・・・・・・」
「もっとやらないと点数取れないよ」
「わかってるよ・・・」
 勉強したくねえーーー
「ただいまー」
「ただいま」
「おかえりなさい、少し濡れているじゃないですか」
「傘忘れちゃって」
「お風呂入ります?」
「一応入ろうかな」
「沸かしてきます」
「ありがとうー」
 俺は部屋に戻って着替え、勉強の準備をした。杏果が風呂から出るまで時間があるから、少しゲームしよう。
 数十分後・・・
 コンコン
「風呂からでたよー勉強しようー」
「わかった・・・」
 杏果の部屋でまた数学と英語の勉強を二時間ぐらいした。
「ご飯できましたよー」
「はいー」
 香織はオムライスを作ってくれた。
「「「いただきます」」」
「初めて作ったんですが、どうですか?」
「うん!おいしい!」
「おいしいよ!」
「それはよかったです」
 香織は嬉しそうにしている。
「ごちそうさまー」
「ねえ、この後も勉強するよね?」
「え?もう終わりじゃないの?」
「まだあるよ」
「まじかよー」
「行くよ!」
「はい・・・」
 俺は杏果の部屋に監禁され、勉強を三時間やった。
「・・・・・・」
 俺は満身創痍だ。
「よくがんばったね!じゃ、ご褒美に、耳かきしてあげよう!」
「いやなんで・・・ゲームしたいんだけど」
「は?私の耳かきよりゲームがいいって?」
「いや・・・なんでもないです、お願いします」
「どうぞー」
 杏果に俺は膝枕させられ、耳かきが始まった。一体何がしたいんだこいつは・・・
「どうですかー?痛くないですかー?」
「痛くないよー」
 なんか耳かきをさせられると眠くなってきた・・・
 翌日・・・・
「はっ!」
 起きた時隣に杏果がいた。まじか・・・これはなんだ?
 杏果の部屋の時計を見ると朝の五時ごろだ。
 ・・・・・・・
 そうだ俺は耳かきしてもらって、寝てしまったんだ・・・数分経ってやっと昨日の記憶を思い出した。しかし大丈夫だよな?俺はそっとタオルケットをめくった。そうだよな、そんなわけないだろ、何を考えているんだ俺は・・・・・・さっさと部屋出るか。
 ガサッ
「うーん」
 杏果は俺の体を抱いてきた。
「え」
 おいおい、これじゃあ動けないじゃないか・・・・
 数分後、体を捻りなんとか脱出し、そっと部屋を出た。

 数日後・・・
 テスト1日目がやってきた。なんやかんやあったが、今まで杏果にかなり叩き込まれ、なんとかテストを受ける準備ができた。
 最初は現代文、漢字はある程度やったし、文章も読んだしまぁ平気だろう。
 一時間後・・・
 うん、まぁギリいけたかな・・・・
 次は英語、長文も全部理解したし、単語も覚えたしいけるだろう。
 一時間後
 うん、まぁギリギリ、ギリいけたな。いろいろな単語が頭から消えていてちょっと危ういかもしれない。
 そして、四日間こんな微妙な感じのテストが続き、無事?テストを終えることができた。その後、家で爆睡しゲームをしてぐうたらな休日を過ごしている。
 コンコン
「入っていいですか?」
「いいよ」
 ゲームをしている時、香織が俺の部屋に訪ねてきた。
「ちょっと、聞きたいことがあるのですけど・・・何ですかそれは?」
「ああこれ?これはゲーム機って言って・・・説明しづらいんだけど、まぁ娯楽のための機械だね」
「何をするものなのですか?」
「それ見てみたほうがわかるかも」
「見てみたいです」
「いいよ」
 今やっているのは怪物ハンターと言って怪物を倒すゲームだ。今から怪物を倒すクエストをやろうと思う。
「これテレビで見たことあります!」
「あーCMでやってたな」
「CM?」
「あーまぁ番組の合間にやっている広告のことだな」
「なるほど、で、どういうものですか?」
「このゲームは怪物を倒す遊びで」
「え?怪物?」
 香織は困惑している。
「ああ、この画面に写っているのは本当に現実で怪物を倒しているわけじゃないからね」
 香織は首を傾げた。
「仕組みはどうなっているのですか?」
「いやそれは難しすぎて説明できない」
「難しいのですね、テレビに映ってたものと同じような感じでしょうか」
「まぁそんな感じ」
 実際ゲームがどんな仕組みになっているかなんてほとんどの人が説明しづらいと感じるだろう。キャラクターを動かし怪物に攻撃しに向かっていく。ちなみに俺はロングソードを使っている。
「この俺が動かしているキャラクター、人が持っている剣で怪物を攻撃するからね」
「その持っている機械で画面の人を動かすのですか?」
「あーそうそう」
 ゲームを説明することがこんなにも難しいとは。
「そんでこの人がいるところがフィールドと言って怪物がいるところだな」
「なるほど」
「このフィールドを移動して怪物を倒しに行く」
 怪物に出会った。
「この画面に写っているデカイやつが怪物で、こいつは攻撃してくるんだ」
「怪物だからですか?」
「そう、その攻撃をかわして怪物に攻撃しダメージを与える」
「だめえじ?」
「あー傷を与える?ことだね、このダメージが蓄積していくと倒すことができる」
「なるほど、面白そうですね」
「少しやってみる?」
「はい」
 一旦このクエストはすぐに終わらせて、新しいクエストに切り替えて香織にコントローラーを渡した。序盤の初心者に優しそうなクエストにし、装備は序盤の装備に変えた。
 まずコントローラーの使い方を教えた。
「ここのボタンは攻撃で・・・」
「はい、はい・・」
「わかった?」
「多分」
 香織は混乱しているように見えた。
「徐々に慣らしていこう!」
「はい!」
 数分後・・・
「少し慣れてきたから、クエストの敵に挑んでみよう」
「わかりました」
 香織は敵がいるところに移動した。攻撃開始だ。
「ふぁーー!あーー!」
「ここは回復して!」
「は、はい!」
 一、二分はよかったのだが、やはりまだボタンの位置とアイテムをどう使うとかがおぼつかないため、だんだん追い込まれていっていった。
「あ、」
「あ、」
クエスト失敗。
 よく考えたらゲーム初心者に怪物ハンターはむず過ぎるな・・・
「まぁちょっとむず過ぎたかもな」
「はい・・」
「違うゲームで慣らしてみようか」
「また違うげえむがあるのですか・・・」
「次は比較的簡単だよ」
「それだったらいいのですが・・・」
 香織は怪物ゲームで参っちゃっているらしい。が、このままではかえせない。ゲームはもっと面白いものだと教えたい!
 次はマリウをやらせてみよう、マリウは何とかできるのではないか。マリウはゲーム機内に入っている。
「これはマリウといって、この主人公マリウを操作して最終的にはクッピという最後の敵から姫を助け出すゲームだよ」
「これはまた全然違う感じのゲームですね」
「まだまだいろんなゲームがあるよ」
「もっとあるんですか!?」
 香織はとても驚いた。
「それにこの映像はなんか独特ですね」
「古い方のゲームだからね」
「古いゲームですか・・・」
「このボタンが・・」
 これもまた操作を教え、何がクリアなのか教えた。今回は何とかできそうだ。
「おっおーーー!」
「ゴールできました!」
「すごい!おめでとう!」
 俺はすごく嬉しい気持ちになった。
「このゲームはやりやすくておもしろいですね」
 香織はすごく笑顔になっていた。
「いやーよかった、ゲームの魅力が伝わったようで」
「怪物ハンターもうまくなったら、おもしろいのでしょうけど」
「そうだね、また他のゲームをやってみて段階を踏んでから怪物ハンターをやってみようか」
「わかりました」
 これからは俺と香織が暇な時は、部屋に来てもらいゲーム講習会みたいのを開くことにした。
 コンコン
 なんだ?
 香織が部屋を出て行った後、扉をノックする音がした。
「ねぇ」
 扉を開けたら杏果が出てきた。すこし不機嫌そうだ。
「なに?」
「香織ちゃんと二人でなにしてたの」
「ゲームしてただけだけど?」
「ふーん・・・・ほんとに?」
「本当だよ、嘘つく必要なんてないだろ」
「そう・・・じゃあ私ともゲームしようよ」
「え?」
「何よ、私とはできないって?」
「いや、やります、やらせてください」
 もう今日はいいかなと思っていたが、やらざるを得ないらしい。
「なにやる?」
「うーん」
 俺と杏果はFPSをやり、盛り上がった。そして杏果はご満悦になってくれたので、よかった。なんだかんだいって五時間くらい二人でゲームをした。


 夏の風物詩、蝉の鳴き声がする道を通り学校に行く。今日からテストが返される日が続く。気分は最悪、激ローだ。
 一時間目は生物だ。テスト返しの時は心臓がおかしくなるのではないかというぐらい痛い。
「平賀湊さん」
「はい」
 テストの点数を見ると七十六点。まぁまぁいい点数だ平均点より上だし。
 二時間目は現代文。もしかして地獄のような点数なのではないかと思うような出来だった。
点数は・・・七十点。うん、少しよさそうな点数に見えるだろう、だが違う平均点は八十点。ダメなんです。
 そんな感じでテスト返しが進み、四日後。一番不安に思っていた英語と数学の結果は・・・
英語八十七点、数学八十四点。よっしゃーーー!!まじでよかった。杏果に重点的に教わってたからこの結果。本当にありがてぇ。実はまだ結果を杏果に言っていない。今日バイト行って、家に帰ったらすぐに報告しよう。
「ただいまー」
「おかえりー」
 香織が迎えてくれた。
「杏果は?」
「部屋にいるはずです」
「わかった」
 杏果の部屋がある二階へ上がった。
 コンコン
「杏果ー入っていいか?」
「いいよー」
 ドアを開けたら杏果は動画を見ていた。
「テストの結果なんだけど」
「おおーどうだった?」
 杏果はニコニコしている。
「なんと、英語が八十七点、数学が八十四点でした!」
「おおーすごいじゃん!頑張ったもんね!」
「杏果のおかげだよ」
「どういたしまして、ちなみに他の教科は?」
「・・・微妙なのもあれば悲惨なのもある」
「ああ、まぁちゃんとやったところができてれば今回はいいんじゃない?」
「うん」
「それで言うことを一つ聞いてもらうことだけど」
「ああそうだった・・怖いな」
「私と1日デートすることです!」
 杏果は腰に手をあてて言った。
「お、おうそんなことでいいのか?」
「そんなことって・・・今週の日曜日空いてる?」
「ああ、香織と鏡の破片探しをする予定だったけど、それがデートでいいか?」
「は?それはデートって言いません!二人でしょ普通」
「そうか、じゃあ鏡の用事は来週にするから、今週日曜日行こう。」
「ふんー!わかった。忘れないでね!」
「忘れないよ」
 杏果はものすごく嬉しそうだ。
 そんなに俺デートするのがうれしいのか?ん?デート?デート??
 まぁいいか。
 ここ二日、杏果との約束までバイトを2回した。バイトはいつも通り疲れるが、お金も溜まった。豪遊するか・・・何に使うか考えておこう。
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