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文字数 697文字
思わず声を上げてしまってから、思った。オレは別に、こいつのことを知るつもりなんか無かったんじゃないのか。……知りたくなんかないと。
だってオレはこいつとは死体でしか会わない筈だったんだ。
そしてオレは……こいつの死体を漁って、金を得ているようなものなのだから。
……必要な役割とは、思い込もうとしていても。
それなのに。
それなのに、一度言葉を交わしてしまえば、常々疑問に思っていたことが、吹き出てくるのを止められなかった。
ああ。
ずっと、考えないようにはしていた事だ。
こうして、何回も死んで生き返る、そんなことが平気なやつって、どんなやつなんだろうな、と。
考えないようにしてたんだ──だってほらやっぱり、そんなの、歪んでるに決まってるだろ。
でもそれを言ってしまえば。
こうして、こいつの死体を何度も回収して。その上前をはねることを。
段々平気になってきて。それで結局、こいつを前にして平気で話しかけられてる、オレは何なんだろうな。
──いいや、それも勿論、分かってたさ。
歪んでる。