第4話 出会い4

文字数 815文字

 初老の男が呼びかけると振り向いたのはか弱いといった感じの、やはり自分と同じくらいの少年だった
 
 「紹介しよう、この子はアルバート。この子は…えっと…ギルバートだ」
 
 「えっ?!」
 
 少年は驚いた、「誰?それ?」とも思った
 
 でも目の前の少年の前でクズとは呼べないだろうという優しさを察した
 
 「けどアルバートにギルバートって単純すぎね?」
 
 と、まんざらでもないと思いながらも照れながら初老の男にいうと
 
 「なかなかいい名前だぞ」
 
 と笑ってごまかされた、そして
 
 「仲良くするんだぞ、じゃあおやすみ」
 
 「おやすみなさい。」
 
 初めて聞いたアルの声はか細く、病気でもしてるんじゃないか、としょ…ギルは思った
 
 艶のある漆黒の髪、そしてやはり病気なのかと疑うくらいの青白い肌だった
 

 「よろしくな!」
 
 アルはまたさっきのところに腰をかけ、本の続きを読み始めた
 
 「おいおい、挨拶くらいしろよぉ」
 
 それでも無視
 
 苛立ちながらアルを見ていたら片方の目を閉じたままだった
 
 「おい、左目どうした?」
 
 「…関係ない…。」
 
 「服もぶかぶかだな、ちょうどいいの用意してくれなかったのか?」
 
 「………。」
 
 「そういえばお前も風呂入ったんだろ?ミハルに

見られたんじゃねーの?」
 
 とおもしろ半分でアルに襲い掛かりからかってた
 
 そしたら…
 
 「…ない…」
 
 ギルの時間だけが止まっていた
 
 そしてハッと気づき、アルに
 
 「お前もしかしてお」
 
 全部言い切る前にアルはギルめがけてゲーム機を振り下ろし、頭に直撃した
 
 ギルの視界は真っ白になっていった…
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