第6話 辰山、バイト先に現れる。
文字数 858文字
バイト先のカフェ。
いらっしゃいませー、あっ！
卯月、久しぶり
辰山、来てくれたんだ♪
元気だった？
ああ
夏休み中だと、なかなか卯月に会えないからな
本日のブレンドコーヒーと、スモークチキンのパニーニ、貰えるかな？
ありがとうございます！
卯月のギャルソン姿、いいな
そう？似合ってるかな？
勿論
お人形さんみたいで、可愛い
えぇっ！それ、ほめてる？
そのつもりだが
本日のブレンドとパニーニ、お待たせしましたー！
…先輩、俺たちの間に割り込んでこないで下さい
バイト仲間が口説かれてたら、助けるのは当然だよ？
口説いてないですよ
恋人同士の日常的な戯れでしょう
俺も、うーちゃんの恋人なのに！
まあまあ…
辰山、冷めない内に食べてよ
うちの店、コーヒーもフードも美味しいから
いただきます
お、確かに美味いな
どっちも俺が手掛けました！
先輩が？
嫌そうな顔するなよー
パニーニにマスタードてんこ盛りにしたいの我慢して作ったんだから
虎谷先輩は、コーヒー淹れるのもフード作るのも上手いんだよ
将来、自分のカフェを持つのが夢だからね！
高校卒業したら、この店で働きながらカフェスクールに通うつもりだよ
意外と進路ちゃんと決めてるんですね
意外とって！
いや、見直しました
遊んでばっかりのフザケてる人だと思ってたので
俺は目標のある人を、否定はしません
恋のライバルとして、戦い甲斐がありますよ
何か上から目線な気もするけど…まぁ、いっか
そうそう、うーちゃんがA大の商学部に入ったら、俺の店に引き抜くつもりだよ
そうなんですか！？
うん
経営とか経理とか分かってる人、欲しいからね
そして、将来的には、うーちゃんを俺のお嫁さんに…
そうはさせませんよ！
卯月は俺と、楽しいキャンパスライフを送るんですから
何だとー！
二人とも、騒ぐと他のお客さんの迷惑になりますから…
(あれ？周りの人たち、何故か微笑ましげにこっちを見てる？)
ああ、うーちゃん、俺、三人で付き合うこと、店の人や常連さんに話したんだー♪
えっ！
みんな暖かく見守ってくれるって♥
いやー、良い時代になったよね♪
そんな…(僕、周りを固められている！？)
