第2話 恋人協定を結びました。

文字数 899文字

翌朝、校舎入口。
はぁ…
(結局二人に何て返事すれば良いのか、分からないまま朝が来てしまった…)
うーちゃん、おはよ!
わっ!虎谷先輩、おはようございます(いきなり過ぎる!というか、待ち伏せされていた?)
ちょっとこっち来て
えっ…(ここは、空き教室?)
昨日の返事、聞かせて欲しいんだけど
えっと…
まぁ、突然男から告られても、驚くよね?

でも、付き合うからには大事にするからさ

深く考えないで、軽いノリでOKしてくれても大丈夫だよ

(優しい口調だけど、僕、今、迫られてるよね…)
あっ!
ん?
………
辰山…
悪い、覗き見するつもりは無かった

卯月に用があったんだが、あなたは誰ですか?

俺は虎谷

三年ね

今うーちゃんに告白の返事聞いてるとこ

邪魔しないでくれる?

先輩、そんなこと話すなんて…
見られてたんだから、どっちにしろバレてんじゃん

驚いたかもだけど、俺、この子のこと好きなんだ

ちょーっと向こう、行っててくれる?

いや、行かない

俺も卯月が好きで、昨日告白したから

辰山!
え?マジ?すげぇ偶然

そんじゃ、うーちゃん、どっちにすんの?

俺も卯月の気持ちが知りたい
そんなこと言われても…
僕、そもそも誰かと付き合ったことなくて…

突然男子二人に告白されても、何て答えたらいいか分からないよ

卯月…

なるほどねぇ…

じゃあ、こうする?

取りあえずお試しでさ、俺たちと付き合ってみんの

付き合うってどういうことか分かったら、俺らへの気持ちも固まってくんじゃない?
お試しって、そんな気軽に付き合うなんて
先輩、いいアイディアですね
えぇっ!
俺も誰かと付き合うのは初めてだし

ゆっくり二人のことを知ってもらってから、返事してくれればいい

ゆっくり…
そうだ

そうと決まれば先輩、タイムスケジュールを組みましょう

お互いフェアになるように、時間配分をするんです

おぉ!さっすが副会長
えー…
十分後。
大体は決まったかな
平日朝は、家が近い先輩と登校

昼休みは、同じクラスの俺と過ごす

放課後は、バイトがある日は先輩と、無い日は俺と帰る

土曜はバイトがあるので先輩と、日曜は俺とデート

これで良いだろうか

異議なーし!
(このスケジュールって…)
(僕が他の友達と過ごす時間、全然無くない!?)←気付くのが遅い
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登場人物紹介

卯月(うげつ)

主人公

高校二年生

小柄な可愛い系

流されやすい性格

辰山(たつやま)

高校二年生

卯月のクラスメイト

生徒会副会長

細身の長身

真面目だけど突っ走る性格

虎谷(とらたに)

高校三年生

卯月の先輩でバイト仲間

細マッチョ体型

チャラくて突っ走る性格

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