第7話 夏休みデート～花火大会～
文字数 734文字
夜中の電話。
卯月、今週の日曜、予定あるか？
無いよ
花火大会あるだろ
行かないか？
いいね♪
もっと人いた方が楽しいかな？
クラスの奴らも誘う？
いや…何でだよ
これは二人の記念すべき初デートだ
あ、そうか…
うん、分かったよ
(そう言われると、照れる…)
花火大会当日。
辰山、お待たせ！
卯月、浴衣着てきたのか！
あはは、僕だけ浴衣だね
気合い入り過ぎちゃったかな？
いや、すごく可愛いぞ♥
勇気を出して誘って良かった！
そんな…
あと、勇気出さなくても、気軽に誘っていいからね！
出店が並んでいるな
花火まで時間あるし、何か食べようか
僕、クレープ食べたいな♪
いいな、クレープか
可愛いチョイスだ♥
可愛さで選んだわけでは…
俺は牛串にしよう
あとは二人分の飲み物かな
浴衣姿でクレープを食べる卯月、う～む、可愛さの極みだ
写真、撮ってもいいか？
いいけど…って、それ、デジタル一眼レフ？
花火を撮るつもりで持ってきたんだが、こんなところで役に立つとはな
ほら、卯月、こっちを向いて
えぇ…
表情がぎこちないな
もっと自然な笑顔を見せてくれ
そんな大きなレンズ向けられたら、上手く笑えないよ～！
そろそろ始まるな
うん
『これより、納涼花火大会を開催します』
『オープニングアクト・夏の花盛り』
……うわぁ！すごい！！
綺麗だな
オープニングから華やかだ
綺麗…
カシャッ
んっ？
ようやく、いい写真が撮れた
あ～っ、勝手に撮ったな！
花火より、目を輝かせている卯月の方を撮りたかった
我ながら、感情が暴走しているな
卯月のペースに合わせて、ゆっくりお互いの感情を育てていきたかったけど…難しいみたいだ
辰山……
(花火のせいかな、ドキドキする)
これからも真っ直ぐに、卯月を想っていたい
少しずつ、俺を知ってくれると嬉しい
うん…ありがとう、辰山
(何故だろう、胸が苦しい)
