第4話 進路と恋と。

文字数 793文字

放課後。
卯月、帰ろうか
あ、うん

何で急いでるの?

虎谷先輩がやって来ると困るから

ほら、行こう

(先輩、辰山に嫌われてるな…)
辰山さ、これから時間ある?
ああ

何かあったのか?

勉強、教えてくれないかな?

もうすぐ期末だろ

勿論だ

それなら、俺の家でやろうか

学校から近いし

うん(辰山の家、初めてだな)
お邪魔します
家族は出掛けてるから、自由にしてていいよ

飲み物持ってくる

ちょっと待ってて

ありがとう
(辰山の部屋、やっぱり綺麗に片付いてるな…)
(本がいっぱい…これは古典の授業で習ったな…辰山、こういう本が好きなのか)
お待たせ
あ、お菓子まで

ありがとう

気にしないで

それじゃ、何の科目をやろうか

数学かな

特に数Bの授業に付いていけなくて…

了解
辰山の教え方、分かりやすい!

先生より上手いよ

そうか、良かった
理数系得意なのに、文系なんだな

あ、でも、辰山なら文系科目もデキるのか

俺はA大の文学部を目指しているから
ああ、本棚に古典の本、いっぱいあるもんな
よく見てるな、さすが卯月

そう、俺は日本の古典文学に興味があって

研究者になれれば一番良いが…

親には渋い顔されてるよ

何で?

A大の文学部、偏差値高いのに

就職に有利な学部に行けって言われてる

理系を選ばなかった時も、結構揉めたんだ

大学って、自分のやりたい勉強をする場所だろ

辰山の選択が正しいと思うけど

…ありがとう

理解者がいてくれると、心が洗われるようだな

大げさだよ~
卯月は志望大学、決めたのか?
僕もA大だよ

商学部

今の学力だと、入れるか微妙だけど…

同じ大学なのか!
いや、でも、今後の成績次第で変わるかもだけど
それなら心配に及ばない

俺が卯月を合格させる

へ?
これからも定期的に勉強会をしよう

苦手な理数系は特にサポートする

せっかく同じ大学に行けるチャンスなのに、逃してはいけない

う、うん
よし、次は何の科目をやろうか
え、じゃあ、今日出た英語の宿題で…(辰山の何かに火を付けてしまった気がする…)
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登場人物紹介

卯月(うげつ)

主人公

高校二年生

小柄な可愛い系

流されやすい性格

辰山(たつやま)

高校二年生

卯月のクラスメイト

生徒会副会長

細身の長身

真面目だけど突っ走る性格

虎谷(とらたに)

高校三年生

卯月の先輩でバイト仲間

細マッチョ体型

チャラくて突っ走る性格

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