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文字数 2,401文字
「他に何か装備持って来てないの?」
「メイド服に色んな道具が入ってるみたいですわ」
地底湖を見回しながら、装備の確認をする二人。
「それはアタシも確認したけど、これって……夜の道具ばかりじゃない?」
「あら、お詳しい。ワタクシ、何の道具なのかサッパリでしたわぁ」
「白々と……。アタシだって、よく分かんないわよっ!」
ドローンを意識して、サクナに近付いていくシャトラ。
「つまりこれって、そういう趣旨のゲームって事?」
「ワタクシ達は当初の予定通り、未確認生物の調査クエストを遂行するまでですわ。それとも、豚王のハーレムに加わる気になりましたの?」
悪趣味な指摘をされて、地団駄を踏みながら猛抗議するシャトラ。
「んなわけあるかっ! 運命の出会いってこう……もっとロマンティックでトキメキに満ち溢れてなきゃダメなのっ!」
「豚王って実は着ぐるみで、中身はイケメンのボンボンらしいですわ」
「……えっ!?」
トゥンク。
条件反射で頬を赤らめるシャトラ。
「チョロ過ぎますわ……」
「あ、あんたに言われたくないっ! す~ぐ、ワイルドなオジサマにひっかかるんだから!」
「夢に向かって突き進む、自由で強くて頼れる殿方は全宇宙女子の憧れですわっ!」
「そうやって借金王に貢ぐから落ちぶれたんでしょ。挙句の果てに捨てられてるし!」
「そ、それは……きっと巨悪の陰謀に巻き込まないよう、ワタクシを遠ざけて……」
「何と戦ってるんだ、そのニートは。きっと妻子持ちの詐欺師……」
そこまで言いかけて、半泣きになっているサクナに気付いたシャトラは我に返った。
「ごめん、言い過ぎた……」
「グスッ。ワタクシこそ、貴方が身も心も懐も貧しい人間だからって見下し過ぎました、ごめんなさい」
「ぐっ……我慢我慢……」
気まずくなった空気を変えようと話題を変える。
「そう言えばブッシーってどんな奴なんだろ。マシンホースなしで捕獲出来るのかな?」
「地下を群れで移動する時にDTSステーションを倒していくみたいですわ。だからこの辺りではまだフロンティアネットに穴がある。携行用のダークエナジーカートリッジも使えなければ、マシンホースは動きませんわ」
「思ったんだけどさ。豚王はここに拠点を設けてるみたいだけど、ずっとカートリッジだけで維持してるのかな?」
「流石に生きてるDTSステーションの近くに設営してるのではなくて?」
「じゃあここ、正規のフロンティアネットが使えるんじゃ……」
周囲の気配に気づいてシャトラは口を閉ざした。
「YOYO、姉ちゃん達YO! イカしたコスチュームでどこへ逝こうってんだYO?」
「何ならオラ達がヘヴンへ送ってやるYO!」
『お~っと、美少女ピギーペアがイカにもな覆面達に囲まれてしまった! どうなる、ピギーペア!』
「武器を持った”男”4人か……。ちょっとキツイかも」
「武闘派のシャトラさん、今こそさっきの借りを返す時ではなくて?」
「じゃああんたの武器、ちょっと借りるわよ」
「はい?」
「ほれ」
———ボヨン。
「んなっ!?」
シャトラはサクナの背中のファスナーを下げると同時に上半身を勢いよく露出させた。
たわわなおっぱいが激しく揺れる。
「オホッ!」
鼻の下と下半身のアレを伸ばした男の股間を蹴り上げたシャトラは、素早くスタンスティックを取り上げ電気アンマでトドメを刺した。
「YOYOYOYOYOYOYOYOYOYO」
失禁しながら痙攣する仲間の無残な姿を見て、思わず内股になる覆面達。
その隙を逃さず、シャトラはメイド服から取り出したブツを覆面達に投げつけた。
思わず受け取ってしまった覆面が、振動するソレから今の惨劇をフラッシュバックさせ、パニックになったところにスタンスティックの一撃が叩き込まれる。
シャトラに注意が向いている隙にサクナも負けじと覆面の股間を蹴り上げると、片手を掴んだままお尻で跳ね上げ背負い投げをし、相手の体重と捻りを利用して肩の関節を外した。
あっという間に3人の男を片付けられ、狼狽える最後の覆面。
美少女二人は互いに目配せし、息をピッタリ合わせたダブル股間蹴りキャンセルダブルスティック電気アンマを放ち、勝敗は決した。
「この大宇宙開拓時代、女の子が身を守るのに金的 狙ってくるのは常識だよ、お兄さん」
「毎回ワンパターンで飽き飽きですわ」
シャトラは唯一気を失っていない覆面男から通信端末を取り上げた後、スタンスティックを丁寧にねじ込んで気絶させた。
「これでフロンティアネットのDTS利用規約を更新出来るよね」
「こんな低俗な見世物に、いつまでも付き合ってられませんわ」
モニタリングルームでは重い沈黙が流れていた。
「ブッヒィ……、丸腰の小娘二人に使えン奴らや。あの覆面共はクビ。もちろん物理的な意味でな」
「アマリリス・パイオニアランキングの検索結果が出ました。7072位『シャトラ・グランセ』『サクナ・キャメルライン』ペア。ランカーネームは『ピチピチ☆エンジェルス』」
頭悪そう。
その場に居た全員の思考が一致した。
「蔑称、股間砕きのメルヘンクラッシャー。一部の酔狂なファンに人気の駆け出しパイオニアのようです」
「まさにオイトンの顧客層とは対極のトラブルメイカーやな……!」
「ピチピチ☆エンジェルスの視聴率が急激に低下しています。打ち切りますか?」
「どうせクエスト達成は不可能や。ほっといても構わンが最後のチャンスをくれたるわ。ハンターを出せ。くれぐれもゴア警報出すンを忘れンなや」
「かしこまりました」
「最後にこれ以上ない醜態を晒すとええわ。視聴率ぶっちぎりやで。ブヒャヒャヒャ!」
「メイド服に色んな道具が入ってるみたいですわ」
地底湖を見回しながら、装備の確認をする二人。
「それはアタシも確認したけど、これって……夜の道具ばかりじゃない?」
「あら、お詳しい。ワタクシ、何の道具なのかサッパリでしたわぁ」
「白々と……。アタシだって、よく分かんないわよっ!」
ドローンを意識して、サクナに近付いていくシャトラ。
「つまりこれって、そういう趣旨のゲームって事?」
「ワタクシ達は当初の予定通り、未確認生物の調査クエストを遂行するまでですわ。それとも、豚王のハーレムに加わる気になりましたの?」
悪趣味な指摘をされて、地団駄を踏みながら猛抗議するシャトラ。
「んなわけあるかっ! 運命の出会いってこう……もっとロマンティックでトキメキに満ち溢れてなきゃダメなのっ!」
「豚王って実は着ぐるみで、中身はイケメンのボンボンらしいですわ」
「……えっ!?」
トゥンク。
条件反射で頬を赤らめるシャトラ。
「チョロ過ぎますわ……」
「あ、あんたに言われたくないっ! す~ぐ、ワイルドなオジサマにひっかかるんだから!」
「夢に向かって突き進む、自由で強くて頼れる殿方は全宇宙女子の憧れですわっ!」
「そうやって借金王に貢ぐから落ちぶれたんでしょ。挙句の果てに捨てられてるし!」
「そ、それは……きっと巨悪の陰謀に巻き込まないよう、ワタクシを遠ざけて……」
「何と戦ってるんだ、そのニートは。きっと妻子持ちの詐欺師……」
そこまで言いかけて、半泣きになっているサクナに気付いたシャトラは我に返った。
「ごめん、言い過ぎた……」
「グスッ。ワタクシこそ、貴方が身も心も懐も貧しい人間だからって見下し過ぎました、ごめんなさい」
「ぐっ……我慢我慢……」
気まずくなった空気を変えようと話題を変える。
「そう言えばブッシーってどんな奴なんだろ。マシンホースなしで捕獲出来るのかな?」
「地下を群れで移動する時にDTSステーションを倒していくみたいですわ。だからこの辺りではまだフロンティアネットに穴がある。携行用のダークエナジーカートリッジも使えなければ、マシンホースは動きませんわ」
「思ったんだけどさ。豚王はここに拠点を設けてるみたいだけど、ずっとカートリッジだけで維持してるのかな?」
「流石に生きてるDTSステーションの近くに設営してるのではなくて?」
「じゃあここ、正規のフロンティアネットが使えるんじゃ……」
周囲の気配に気づいてシャトラは口を閉ざした。
「YOYO、姉ちゃん達YO! イカしたコスチュームでどこへ逝こうってんだYO?」
「何ならオラ達がヘヴンへ送ってやるYO!」
『お~っと、美少女ピギーペアがイカにもな覆面達に囲まれてしまった! どうなる、ピギーペア!』
「武器を持った”男”4人か……。ちょっとキツイかも」
「武闘派のシャトラさん、今こそさっきの借りを返す時ではなくて?」
「じゃああんたの武器、ちょっと借りるわよ」
「はい?」
「ほれ」
———ボヨン。
「んなっ!?」
シャトラはサクナの背中のファスナーを下げると同時に上半身を勢いよく露出させた。
たわわなおっぱいが激しく揺れる。
「オホッ!」
鼻の下と下半身のアレを伸ばした男の股間を蹴り上げたシャトラは、素早くスタンスティックを取り上げ電気アンマでトドメを刺した。
「YOYOYOYOYOYOYOYOYOYO」
失禁しながら痙攣する仲間の無残な姿を見て、思わず内股になる覆面達。
その隙を逃さず、シャトラはメイド服から取り出したブツを覆面達に投げつけた。
思わず受け取ってしまった覆面が、振動するソレから今の惨劇をフラッシュバックさせ、パニックになったところにスタンスティックの一撃が叩き込まれる。
シャトラに注意が向いている隙にサクナも負けじと覆面の股間を蹴り上げると、片手を掴んだままお尻で跳ね上げ背負い投げをし、相手の体重と捻りを利用して肩の関節を外した。
あっという間に3人の男を片付けられ、狼狽える最後の覆面。
美少女二人は互いに目配せし、息をピッタリ合わせたダブル股間蹴りキャンセルダブルスティック電気アンマを放ち、勝敗は決した。
「この大宇宙開拓時代、女の子が身を守るのに
「毎回ワンパターンで飽き飽きですわ」
シャトラは唯一気を失っていない覆面男から通信端末を取り上げた後、スタンスティックを丁寧にねじ込んで気絶させた。
「これでフロンティアネットのDTS利用規約を更新出来るよね」
「こんな低俗な見世物に、いつまでも付き合ってられませんわ」
モニタリングルームでは重い沈黙が流れていた。
「ブッヒィ……、丸腰の小娘二人に使えン奴らや。あの覆面共はクビ。もちろん物理的な意味でな」
「アマリリス・パイオニアランキングの検索結果が出ました。7072位『シャトラ・グランセ』『サクナ・キャメルライン』ペア。ランカーネームは『ピチピチ☆エンジェルス』」
頭悪そう。
その場に居た全員の思考が一致した。
「蔑称、股間砕きのメルヘンクラッシャー。一部の酔狂なファンに人気の駆け出しパイオニアのようです」
「まさにオイトンの顧客層とは対極のトラブルメイカーやな……!」
「ピチピチ☆エンジェルスの視聴率が急激に低下しています。打ち切りますか?」
「どうせクエスト達成は不可能や。ほっといても構わンが最後のチャンスをくれたるわ。ハンターを出せ。くれぐれもゴア警報出すンを忘れンなや」
「かしこまりました」
「最後にこれ以上ない醜態を晒すとええわ。視聴率ぶっちぎりやで。ブヒャヒャヒャ!」