第4話 AIが作曲した交響曲で泣いてみませんか?
文字数 780文字
「できたぞ! 交響曲第1番 涙腺崩壊」
作曲家のF氏は、かねてより研究していたAI自動作曲システムを完成し、それを駆使することで新たな交響曲を生みだした。
ハイドンからショスタコービチまでの古今東西の名曲の 泣かせどころ を学習させて創造した単一楽章の交響曲である。
AIでの作曲であることは秘密にして、デジタルオーケストラでの演奏をYOUTUBEにアップするとたちまち評判を呼び、リアルオーケストラでの初演も大成功で、満席の聴衆は全員号泣。そして、オーケストラのメンバーもフィナーレで号泣し、譜面が涙でびしょ濡れになっての渾身の演奏で、ホールは感動の涙の洪水となった。
曲の評判は、世界中を駆け巡り、F氏はワールドツアーで巨万の富を得た。聴衆は、当然 第2番を熱望する。
F氏は、聴衆の熱望がピークに達したところで、第2番の作曲 いや、AI稼働をすることにした。
「次のテーマは、愛 にしよう。 この曲を聴いた誰もが 愛に目覚める または 愛を深める 曲」
F氏は、システムを起動させ、作曲条件を入力していく。
「今回は、4楽章 40分 3管編成 ハープ2台入り そうだオルガンも入れよう。シンボル曲は、ワーグナー トリスタンとイゾルデの 愛と死 そしてテーマーは 愛」
F氏がENTERキーを押すとシステムは稼働し、5日目にようやく完成した。
「どれどれ、どんな曲になったかな」
F氏は、ヘッドフォンをかけ、出来上がったばかりの 交響曲第2番「究極の愛」の試聴を始めた。
翌日、F氏宅前には、警察車両が止まっていた。
「死亡推定時刻は、深夜1時 外傷はありません。心臓発作でしょうか」
鑑識の見立てを聞いた刑事は、ヘッドフォンをつけたまま死亡したF氏の前にあるパソコンの入力画面を確認した。
「シンボル曲は、トリスタンとイゾルデ そしてテーマは 死 か。 なんのことだろう?」
おしまい
作曲家のF氏は、かねてより研究していたAI自動作曲システムを完成し、それを駆使することで新たな交響曲を生みだした。
ハイドンからショスタコービチまでの古今東西の名曲の 泣かせどころ を学習させて創造した単一楽章の交響曲である。
AIでの作曲であることは秘密にして、デジタルオーケストラでの演奏をYOUTUBEにアップするとたちまち評判を呼び、リアルオーケストラでの初演も大成功で、満席の聴衆は全員号泣。そして、オーケストラのメンバーもフィナーレで号泣し、譜面が涙でびしょ濡れになっての渾身の演奏で、ホールは感動の涙の洪水となった。
曲の評判は、世界中を駆け巡り、F氏はワールドツアーで巨万の富を得た。聴衆は、当然 第2番を熱望する。
F氏は、聴衆の熱望がピークに達したところで、第2番の作曲 いや、AI稼働をすることにした。
「次のテーマは、愛 にしよう。 この曲を聴いた誰もが 愛に目覚める または 愛を深める 曲」
F氏は、システムを起動させ、作曲条件を入力していく。
「今回は、4楽章 40分 3管編成 ハープ2台入り そうだオルガンも入れよう。シンボル曲は、ワーグナー トリスタンとイゾルデの 愛と死 そしてテーマーは 愛」
F氏がENTERキーを押すとシステムは稼働し、5日目にようやく完成した。
「どれどれ、どんな曲になったかな」
F氏は、ヘッドフォンをかけ、出来上がったばかりの 交響曲第2番「究極の愛」の試聴を始めた。
翌日、F氏宅前には、警察車両が止まっていた。
「死亡推定時刻は、深夜1時 外傷はありません。心臓発作でしょうか」
鑑識の見立てを聞いた刑事は、ヘッドフォンをつけたまま死亡したF氏の前にあるパソコンの入力画面を確認した。
「シンボル曲は、トリスタンとイゾルデ そしてテーマは 死 か。 なんのことだろう?」
おしまい