第8話 神様

文字数 648文字

神様なんていないって思ってた。
でも、この前見たのよ!

下の階のおばさん、そう、あの自殺の一件教えてくれたおばさん。
あの人の家にもちょっと顔だしておこうと思って行ってみたのよ。
そしたらさぁ、あのおばさん部屋に神棚まつってあって、手を合わせてたの。

”世界平和”みたいなの、祈ってた。
ただブツブツ言ってるだけで、声は聞こえているんだけど、私には何言っているか理解できないのよ。
すごく真剣な表情で、ちょっかいかけるのためらっちゃうくらい。

そしたらさあ、おばさんの前に神様いたの。
やっぱり”光って”たよ!
映画とかアニメとかで出てくる感じそのままの”神様”なんですぐに分かったわ。
ホントびっくりだよね!!

でもさ、死んだ私のほう向いてくれないの。
祈ってるおばさんと正面に向かって立ってるだけ。
私、神様に自分をアピールしたんだけど、結局振り向いてくれないまま消えちゃった。

私毎日将来のこと不安だから、なんとかお願いして私のこと先に進めてもらおうとしたんだけど、ダメだった。
神様なのに、まったく私に気づかないで消えちゃったんだ…。冷たいよね。


私これからどうなるんだろう。
ほんとに不安になってきたよ、まったく、チッ!

あのおばさんには神様見えてるのかな?
そんな感じじゃなかったけどな。
でも、もしおばさんに私の言葉が通じるなら、「ちゃんと神様来てたよ!」って教えてあげたいな。
祈ってるおばさんって神様と同じくらいキレイに見えたな。

スピリチュアル感凄かった!!
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