第6話
文字数 387文字
「あの。……余計なお世話だとは思うんですが、メニュー名をどうにかされたほうが……。こんなに旨いのに、メニュー名のせいで味を誤解されるような気がします。現に俺も、ここやめて出ようと思いましたから」
「そうですかあ? たまに言われます。でも、メニュー名も一生懸命考えましたから、愛着があって、変えられません。僕むかし、芸人だったんですよ」
「へええ」
「なす&おなすってコンビ、ご存じです?」
「いや……すみません、知りません」
「いえ、いいんです、いいんです。あまりにも売れなくて、辞めちゃいましたから。それからカレーの修行に入って」
気の毒だが、売れないのは分かる気がした。
「辛 さと、辛 さをかけているんですね。俺なら⑨と⑩が逆になるんですけど……」
「辛 さ度は、全くの僕の主観です。僕にとっては⑩が最大級に辛 いことですから」
「そうですかあ? たまに言われます。でも、メニュー名も一生懸命考えましたから、愛着があって、変えられません。僕むかし、芸人だったんですよ」
「へええ」
「なす&おなすってコンビ、ご存じです?」
「いや……すみません、知りません」
「いえ、いいんです、いいんです。あまりにも売れなくて、辞めちゃいましたから。それからカレーの修行に入って」
気の毒だが、売れないのは分かる気がした。
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