八章 六点リーダー

文字数 508文字

〔後の先:否定〕
政信が馬を用意していれば、下屋敷に着くことができた。しかし、別府の予想とはことなり、門前町のどこにも馬の用意はしていなかった。
〔間四件の一:観察文〕
同心を珍しく思った野次馬が、騒いでいた。政信は彼らを黙らせるために、服を脱いだ。左肩から脇腹まで、ふかい傷跡がのこっていた。
〔間四件の二:状況文〕
政信は周辺の地図を見せた。どこかに馬を調達できたとしても、途中の傾斜の高い山々をのぼるのは不可能だった。馬は平坦な道以外に走ることができないからだ。
〔間四件の三:状況文〕
別府は地図から水路を見出した。政信が江戸川、大川、目黒川、蛇崩川と小舟で移動したのならば、蛇崩町に着くことが可能になるのだ。まだ、政信が犯人という線はのこっていた。
〔間四件の四:状況文〕
別府の推理は成立できるものだったが、ちょうど、事件のあった日、治水工事をしており、船がとおれなかったと判明する。瑞木新七、炊馬経子、作間政信と調べて、三人とも犯行は不可能だった。のこりの容疑者は上野左衛門だけになった。
〔先の後:新事実〕
湯島の門前町から離れようとしたとき、別府のもとに報告が来る。上野左衛門が下屋敷に侵入して捕まったという報告だった。
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