子犬と執事
文字数 1,454文字
アステール18階層にある大きな街へと向かう道中に悲劇は起きる──。
15階層の地では渓谷地帯の天候が変わりやすく晴人のギルドは嵐の中、
ボロボロの吊り橋を渡りきる。
だが最後に残されたロゼッタは渡ろうとするも橋は崩れ逸れてしまう──。
残された晴人とロコットは崖の下を見ず振り絞りながら先へと進む。
次第に天候は良くなり嵐は去っていき虹の掛かるほどの天気になった。
そう言いながら晴人のギルドは18階層にある街へと向かうことにした。
目的地の大きな街に到着し周りを”ジロジロ”と見渡す──。
本当に大きな街だ。
ロコットは心配で”そわそわ”している。
と、その時──。
なんと小さな子犬がロコットの元へダッシュで向かってくる。
飼い主?だかわからないが薄いピンク色でロングヘアーの可愛い少女も一緒に向かってきた──。
向かって来た子犬を捕まえたロコット。
少女はロコットに謝りながら子犬を受け取った。
子犬のきなこはすばしっこくて、甘えん坊らしい。
そして毛並みの色がベージュだからそれっぽい名前にしたらしい。
晴人とロコットは少女の家の外観を見て唖然とした。
立派な豪邸だ。
黒色の大きな鉄格子の門を開け中へと案内され進んで行く。
床はレンガになっていて目の前は噴水があり周りは緑豊かな芝生でいっぱい。
18階層の土地の70%を保有しているとのこと。
どうやら執事が少し怒り気味に話している。
少女の名前はアリスというらしく勝手に外出していたらしい。
どうやらアリスが抱えている子犬のきなこは捨て犬で道端に捨ててあったのだ。
拾ったはいいが子犬はダッシュで逃げてしまい今にいたる──。
執事が色々アリスに説教をしているが、いつの間にか姿が消えていた。
もしかしたらいつもの事なのかもしれない。
アリスはいつもわがままで自分のことしか考えてなく、
いつも執事を困らせている。
お姉さんがいつもアリスに注意しているらしい。
シャワールームに案内され晴人とロコットは2人でお風呂に入る。
ものすごく広いシャワールームだ。
2人はお風呂から出るとリビングルームに向かった。
お腹を空かせていると思った執事は食事を用意してくれたのだ。
食事の量もすごく豪華。
“ガチャン”
突然、リビングルームの扉が”そーと”開く──。
そこには執事から逃げ出したアリスがリビングルームまで来た。
ものすごく元気のない表情をしている。
驚いた表情を浮かばせる執事──。
そして食事をしている晴人とロコットの2人は手が止まる──。