第21話:仕事の手順書とCMと協賛金集め

文字数 1,668文字

 鈴木良三さんが、仕事の手順を書いたマニュアルを作成し拡大コピーして壁に貼った。朝、最初に来たら、計量カップで、米40杯「4升」を水圧洗米機に投入し水を流しながら機械のスイッチをいれて2-3分で米が研ぎあがる。それを取り出して、2等分して、大きな容器に入れて水を入れて、10分、水に浸しておく、その後水を切って2つの大型の圧力鍋に入れる。

 炊飯開始し10分以内で炊きあがる。その後、蒸らしてから大きなへらで全体を上手に混ぜ、蓋を少しあけて5分、水分をとばすと美味しい御飯が炊き上がる。その20分の間に手分けして、おかずの材料を切ってフライパンで炒めたりする。野菜類は、スライサーを使い、短時間のうちに切るようにして時短調理を徹底する。朝食時には、卵料理を40個を手際よく焼く。

 野菜炒め、ソーセージなど肉類も大鍋で、一気に調理する。味噌汁も一気に大鍋でつくる。その他、お湯は5Lの大きなヤカンで沸かし、5Lの大きなポットにいれて、即席の珈琲、紅茶、砂糖をつかい、学生さんに自分たちでいれるようにしてもらう。食器類も大テーブルに、数カ所づつに分けて、自分で取って、御飯、味噌汁、を茶碗に、おかずを皿に、取ってもらう。

 つまり、ほとんどセルフサービスとして短時間に朝食を済ませる様にしてもらう事にした。翌日から、実際に学生寮の運用を始めて見ると、いろんな問題が発生した。まず、調理の作業が朝に朝食と昼食の弁当をつくるのが大変で、継続していけないかもしれないと言われた。対策として、昼食を安く、一括して、弁当屋に頼むか、学生が各自で自分で済ましてもらうしかない。

 そこで、七郎が、学生が自分で昼食を済ましてもらう様にする事にした。朝食と夕食だけなら、何とかやっていけると言った。また、食料はコストコとイオンで調達するが、お金の精算が面倒なので七郎の方でクレジットカードを作って自動的に処理できる様にして欲しいと言ったので、早速クレジットカードを作り、購入担当者に渡す事にした。

 その他、学生さん以外の方の食事は、冷蔵庫の中に、御飯とおかず、近くに、弁当容器、食器、箸など、おいておくので、セルフサービスでお願いしたいと言われたので、わかり易く、貼っておきますと答えた。数日後、鈴木良三さんから、電話で、朝と午後に、6升ずつの米で、御飯として20キロ、1日で40キロ、米として1日22キロで、まかなえる。

 米30キロ袋で0.7袋、週に154キロ、4週間で、616キロを食べる事になる。ものすごい量だ。木元さんにも電話して農協に在庫を切らさない事とクレジットカードでの支払いを頼んでみると言った。ガソリンから車検、ほとんど全てクレジットカード支払いにし領収書を保管。食料代の合計が70-100万円かかりそうだ。経費が年間3千万円は、かかりそうだ。

 翌週にKG建設の三保さんと城山洋一さんから電話が入った。三保さんが、KG建設に掛け合って企業コマーシャルに、この学生寮を使ってくれる事が決定したと話した。TVとネットCMで合計年間2千万円。この朗報を聞いて、七郎は、小躍りして喜んだ。三保さんと施設代表の木下七郎など関係者全員の協力して善意の輪というイメージでCMを流したい様だ。

 そこで、朝の調理風景やシングルマザーの働いてる姿、その子供の面倒を見てる、おばあさん、勉強している学生の姿、食事風景、学校へ出かける風景など多くのカットを取りますので、協力をしてくれるように言われたようだ。もちろん大歓迎だと七郎が言った。3日後、学生寮で朝10時に、CM会社の人間と三保さんが来て、撮影の打ち合わせをする事になった。

 城山洋一さんから、我が社、M商事の上層部にCM協力をお願いしたが、会社のイメージアップになりそうで好反応だった様だ。詳細は、決まり次第連絡すると言ってくれた。その他、自分の知り合いの食品メーカーにもCM依頼し好反応な会社が数社あると言った。また、コストコとイオンをメインに食品を購入してるのでコストコとイオンの本社とも交渉中との事。
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