第20話 甘)遠野の「幻のようかん」

文字数 1,032文字

 岩手は遠野市を訪れたときに、美味しい羊羹に出会いました。出会った場所はいつものパターンですが、道の駅の物産コーナーでした。ホントに好きね、アンタ(笑)

 その道の駅があったのは遠野市の宮守地区というところ。この土地は東北でも有数の、根ワサビの産地なんだそうです。なので私も「ワサビ絡みの何か美味しいものがあるかな~」と、密かに期待しながら訪問したのでした。
 産直コーナーには、もちろん新鮮そうな根ワサビがありました。
 「ヨッシャ、これ買ってみようかね♪でももっと店内を見てみようっと♪」
 お目当てのものを早々に見つけられたので、足取り軽く店内をフラフラフラフラする私。そのとき目についたのが、

 「復活!幻のようかん!お待たせしました!」なる手書きのポップ。

 「幻」って……なんのこっちゃ!気になるやんけ!

 スーパーのお惣菜入れみたいな透明なプラケースに、なんの飾り気もなく詰められたその羊羹。いわれについては詳しく説明されていなかったものの、そこまで言われれば仕方ない。念のため(?)2パックスお買い上げであります。

 この「幻のようかん」、はっきり言ってクセになります(笑)お味はいわゆる練羊羹なんです。ただ、表面が薄~い砂糖の膜で覆われてるんです。なので、かじると最初は砂糖の膜のパリッシャリッとした食感がきて、続いておなじみ練羊羹の「固柔らかい」食感に変わるんですね。練羊羹ときんつばの中間といったらいいでしょうか……おもしろい!こんな羊羹、初めて食べましたよ!
 甘さは私にはちょうどいい感じ。つまりは、どぎつくない優しい甘さです。このくらいが今の私には心地よいんですよね~。日本茶との相性もバッチリでした。買い求めた2パックスは、その日のうちに空っぽになっちまいました……

 気に入ってしまったので正体が気になり、ネットの情報の海へダイヴ!すると、「かつて遠野の小友地区にあった和菓子屋さんの羊羹を40年ぶりに復活させた云々」という情報が!しかも現在の遠野市小友町で、地域活性化の一環で売り出し始めた商品なんだとか。つまりは、また食べられる可能性が高いっちゅーことじゃありませんか!安堵しました(笑)。
 
 ワサビを期待して訪ねた道の駅で、まさか羊羹に感動することになろうとは思ってもみませんでした。つくづく運がよかったなぁ~なんて、しみじみと感じました。今度行ったら、そしてまた「幻」と出会えたら、必ず我が手中に収めたいと思います(笑)。

 ごちそうさまでした。
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