流しそうめん大会(閉幕)

文字数 2,196文字

 
 流しそうめん大食い対決は意外な結果を(ともな)って幕を閉じた。

 ◇

「大食い対決のおかげで、場が盛り上がりました。きっとイベント参加者たちで円滑なコミュニケーションが生まれると思います。残りの時間はイベント参加者で流しそうめんを食べながら、みんなで親睦を深めましょう」・・・寮イベント発起人

 寮イベント発起人の言葉を合図にメインとなる親睦会が始まる。

「あっ、流しそうめんに(ささ)が乗っている♪」・・・レオノーレ

「お洒落」・・・ニコル

「アレス達の大食い対決を見たら、俺も食べたくなってきた」・・・オズワルト

 3人は自分の分の流しそうめんを皿にとる。

「ケヴィンたちが戻ってきた」・・・ニコル

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「勝てなくてゴメン」・・・ケヴィン

「そんなことはない。よく頑張った」・・・ニコル

「そう言われると助かる」・・・ケヴィン

「アレス、お帰り」・・・オズワルト

「アレスさん、お帰りなさい」・・・レオノーレ

「ただいま」・・・アレス

「結果はどうあれ、よく頑張った」・・・オズワルト

「そうですね。私もアレスさんが無理して頑張っているのを見ると辛かったです」・・・レオノーレ

「ありがとう。俺が自身で選んだ選択だ。結果に後悔はない。2人の応援のおかげで自分ひとりじゃ出せない力を出すことができた。全然無理してもいないし辛くもない。むしろ満足している」・・・アレス

「そうか。ならいいんだ」・・・オズワルト

「この後は親睦会となっている。十分に楽しもう」・・・アレス

「そうしよう」・・・オズワルト

「ですね」・・・レオノーレ

 ◇

 俺達5人が集まっていると、大食い対決で戦った寮生の友人であるアルフレドがこちらにやってきた。

「アレス、元気そうだな。この前まで調子悪そうにしていたから、心配だったがこれじゃ心配はいらないみたいだ」・・・アルフレド

「もう大丈夫だ。心配かけた。すまない」・・・アレス

「いやいや礼を言われるまでもない。俺とお前の仲じゃないか」・・・アルフレド

「そうだな」・・・アレス

「皆にアルフレドを紹介するよ。彼は名前をアルフレドっていう。寮生の友人で俺とは異なるクラスに所属している。お調子者で有名だ」・・・アレス

「誰がお調子者で有名だ。ったく」・・・アルフレド

「楽しそうな方ですね」・・・レオノーレ

「大食い対決を見ていたが、見事に滑っていたな。受けは良かった」・・・オズワルト

「酷い言われようだ。アレス、フォローしてくれよ」・・・アルフレド

「アルフレドはいつも誰かを笑顔にしてくれる。それが魅力だ」・・・アレス

「それは素晴らしい」・・・オズワルト

「面白そうな奴だもんな」・・・ケヴィン

「ははは。自分じゃ気付かなかった」・・・アルフレド

「まぁ、今日はゆっくりしていってよ」・・・アルフレド

「そうさせて貰う」・・・アレス

 俺達はアルフレドと別れる。

 ◇

「それではみなさん流しそうめんのコースにお集まり下さい。寮イベント参加者全員による流しそうめんの試食を行います。皆で同時に食べれば、美味しさ100倍です」・・・寮イベント発起人

「待ちに待ったイベントだ」・・・ケヴィン

「大勢の人で同時に試食するのね。面白そう」・・・ニコル

「面白そうな企画だ」・・・オズワルト

 俺達は全員流しそうめんのコースの前に(つど)う。そして流れてくるそうめんを箸で突っ突いた。

「皆さん、手元に流しそうめんが行きましたか?それではいただきます」・・・寮イベント発起人

「いただきます」・・・全員

「う~ん。旨い」・・・オズワルト

「美味しい」・・・レオノーレ

「皆で食べる流しそうめんの味は格別ね」・・・ニコル

 ・
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(略)

 俺達はイベント企画を存分に楽しんだ。

「楽しい時間はあっという間だな」・・・オズワルト

「少し寂しいです」・・・レオノーレ

「何でもそうだと思う。短い至福の時間(とき)のために俺達はひたすら頑張っていると言っても過言ではない。もしも楽しい時間が長ければ、それはきっと意味がなくなってしまうだろう」・・・アレス

「それは言えていますね」・・・レオノーレ

「何となく分かる」・・・オズワルト

 ◇
 ◇

「そろそろ、流しそうめん大会の閉幕だ」・・・アレス

「そろそろ時間となります。皆さん本日の流しそうめん大会はお楽しみ頂けましたでしょうか?閉幕の時間となりました。この後は皆さんで片づけをします。是非ともご協力下さい」・・・寮イベント発起人

 俺達はこの後、片づけに尽力した。流しそうめんのコースを解体し別個に分別した後、竹のコースは一か所に集めて燃やした。

「勿体ないです」・・・レオノーレ

「まぁ仕方ない」・・・オズワルト

「これで楽しい時間も終わりだな」・・・アレス

「ええ」・・・レオノーレ

「オズワルト、レオノーレ。この後、時間空いている?場所を変えて、話したいことがあるんだ」・・・アレス

「どうした?改まって」・・・オズワルト

「何でしょうか?」・・・レオノーレ

 ■

 こうして、俺は2人を連れてとある場所に向かった。

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登場人物紹介

アレス


男子学生で本編の主人公


前衛で剣を扱う戦士


は選抜の特別任務を遂行できるほどの才能限界値を有していた。


とある事件を契機に世間平均では7あると云われている才能限界値5にまで落ち込んでいる。

オズワルト


男子学生で見た目は長身で顔立ちが整っている


性格も気配りの出来る男で人望が厚い。優秀な後衛の魔法使い

レオノーレ


エルフ女子学生で人間との意思疎通得意でない。見た目はアレス曰く、可愛いらしい

森で育ったこともあり、夜眼利くを扱うのが得意。前衛も後衛もカバーできる中衛の狩人で弓使い。

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