抹茶ラテの作法と実践

[ミステリー]

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8件のファンレター

できあいの製品とは到底言えないような、そんな溺愛を巡るお話。

ファンレター

高度な実験性と物語の魅力

すごく実験的な作品だと感じました。
第一話の、まるで落語のマクラのような軽妙な導入部。第二話の、作者が登場するメタフィクションーーあるいはるるせさんのチャットノベル『早退届』のセルフパロディーかと見せかけて……ものすごいフィクション(嘘噺)が溢れ出す、その実験性と物語のパワーにどきどき、わくわくです‼

それから、とにかく会話がすごいです。ほぼ会話によってどんどん物語が進んでいきますが、それが決して単なる説明に堕さず、主人公たちの感情が、そして紛れもなく「溺愛」の物語が、疾走感をもって浮かび上がってきます。これは基本的に会話だけで全てを表現する落語の語り……それも名人芸だと思いました。だから、どれだけハメを外しているように見えても、物語が破綻しないんですね…。
今後物語は急展開の予感……続きがとっても楽しみです^^

返信(1)

おはようございます! 会話で表現するのが僕は、得意な方だと自分で思います。落語と言ってもらえるのは光栄の至りであります。南ノさんに言うのも釈迦に説法かもしれないですが、高校の国語で僕は二葉亭四迷は坪内逍遥『小説神髄』の影響で口語文体を編み出したと習ったのですが、あれ、微妙に嘘で(笑)、実際には二葉亭四迷は坪内逍遥に直接「これからの文学を創造するにはどうすりゃいい?」ってことを訊いて、「新聞に落語を文字にしたのが載ってるだろう。あの文体でどうだ」という内容を言われて編み出されたのが今で言う口語文体の小説の始まりなのでした。と、いうわけで、落語はナラティブストラクチャーとしてだけでなく、文体そのものも、小説の勉強には必須で、独学の僕には大切だという認識。だから、とても嬉しいです。あと、僕は筒井康隆先生が大好きで、筒井先生の作品は、「饒舌体」と呼ばれている時期がありました。なぜ先生がそんな文体をやっていたかというと、学生時代、演劇やってたのもあるけど、落語にもめちゃくちゃ詳しい、というのがある。僕、若い頃、偉そうにしてたら「古典芸能ではないだけで、小説も『芸能』の世界だ」と言われたことがありました。その言葉を受けて、僕は考えを改めることになったのですが、まあ、若いときにめちゃくちゃなことばかりしていて、きっと関係者はみんなそういうの覚えているので、僕はこうして今も上手く空を飛べない、ということなのでした(レターやその返信も、できるだけ僕は「オチ(サゲ)」をつけるようにしているのも、落語の影響です。気付いて言語化出来る南ノさんは凄いです)。