佐久田さん、桐乃はいま、とても感動しております。ひとつの物語を読み終えて、あらゆる感情が怒涛のように押し寄せてくるこの感覚。これが読書の醍醐味のひとつだと思いますが、いままさに、そのまっただなかにわたしはいます。ずぶずぶと沼にハマっております。もう、なにからお伝えすればよいのか。支離滅裂な感想になるかと思いますが、どうぞご容赦ください。
前哨戦『エターナル・スクラッチ』の感想でも触れておりますが、なんという世界観でしょう。SFなのにめちゃくちゃリアル。細部に至るまで隙がない。小気味よい風刺っぷりが爽快です。これは癖になるわ……。
女の子たちの家庭環境もですが、組織の上層部もエグいことを平気で考えるサイコパスがはびこっていて、この物語の諸悪の根源といってよい立川セージが情状酌量の余地のない根っからの悪人で、おとなたち揃いも揃って雁首並べて、こどもたちから搾取することしか考えていないのか、と怒りを通り越してもはや唖然としてしまいます。そんな逆境のなか、めげることなく仲間と互いに切磋琢磨しあって現状を打破してゆく少年少女たち。尊すぎます。
なかなかにヘビーな超格差社会という背景がありながらも、少女たちがあっけらかんと明るく前向きで、及び腰な男子チームとの丁々発止の掛け合いも楽しく、重くなりがちなテーマなのにまったくそんなことを感じさせず、さくさく読めるのがほんとうにすごいです。
あとスキル名のセンスが抜群で、思わず笑ってしまいます。このセンス、大好きです。どれも最高ですが、なかでもクローブの「ジチタイルール」がとくにツボ。キャラでは、カルダモンがわたしの推しです。裏表のない姉御肌のばりばりヤンキー(しかもポニーテール！)大好き。でも、自分と似ているなと思うのはヒノキです。ものの考え方とめんどくさい性格に親近感が。
カップリングも予想外の展開で、でもそういわれるとたしかにしっくりくる組み合わせで。第21話「アルデバランとベテルギウス」は1ページまるごと映画のワンシーンのようで、めちゃくちゃ胸に刺さりました。
次は第3部を読ませていただこうと思います。まだこちらの物語をぜんぶ消化しきれていないので、余韻に浸りつつ、ゆっくり楽しませていただきます。
長々ときもちわるいほどの長文を送りつけてすみません(>_<)これでも省いたのですが。生暖かい目で流し読みしていただけるとしあわせます。

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