眼中のひと

作者 桐乃桐子

[恋愛・ラブコメ]

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9件のファンレター

彼の愛はたぶんちょっとかなり重い。

第4回『NOVEL DAYS 課題文学賞』
「彼氏or彼女を溺愛している話」
優秀賞に選んでいただきました。

1/31 番外編「ただひとたびの」こちらに移動しました。

ファンレター

受賞おめでとうございます!

桐乃さん、課題文学賞優秀賞受賞おめでとうございます!!
『眼中のひと』とスピンオフ作品である『ただひとたびの』、どちらも拝読しました^^
「溺愛」と言いますと、溺れるという字面から、自由な意志や主体性を失ってしまうような、危うい(不平等)な恋愛関係をイメージしていました。しかし、桐乃さんはこの言葉を全く違う意味で描かれていて、目からウロコが落ちる思いでした。
栞さんが、自分に向けられている愛情に気づきながらも、本気のはずがないとあれこれ相手の真意を疑ってしまうところ(とんでもない邪推をされたり、神蔵君がちょっと不憫)、読んでいて切ない気持ちになりました。
栞さんの自己肯定感が低いのは、彼女の生育環境の影響もあるのだろうと思いましたが、自分の気持ちが伝わらなくても、相手の態度がやわらいでいくまで辛抱づよく待っている神蔵君に拍手を送りたいです。
同棲したからなし崩し的にではなく、お互いに合意形成をしてから、二人が仲を深めていくというのが、すごく良かったです^^
後日譚も読んでみたいなと思いました。
このお二人なら、入籍したてよりも結婚して5年、10年経ってからのほうが、よりお互いに理解し合って、愛が深まってそうだなと想像したのでした。

そして、桐乃さんが『ブックエンド』でご紹介くださった、長田弘さんの『一日の終わりの詩集』、買ってしまいました!
引用された詩「空の下」の「この世はうつくしいと言えないかもしれない。/(中略)ひとは/祈ることができるのだ。」という一文に、こうグッときてですね!!
詩集を手に取ってみますと、全体の構成も良く練られていて、素晴らしいの一言です。
「一人の私は何でできているか?」といった疑問形で終わる詩が畳み掛けるようにどんどんつづいていく構成に、最初はびっくりして、後からなるほどーと感心しきりでした。疑問形の詩が連なる中で、断定で終わる詩の印象がすごく強くなる気がします。
良い詩ばかりなので、一つを選ぶのが難しいですが、わたしはやはり最初に教えていただいた詩「空の下」と、詩「穏やかな日」が好きです^^
心に染み入る、何度も読み返したくなる詩集を紹介してくださり、本当にどうもありがとうございました!

また『ブックエンド』で桐乃さんがお好きだと書いておられた茨木のり子さん、「自分の感受性くらい/自分で守れ/ばかものよ」という詩が強烈で、子どもの頃に読んだのが今でも鮮明に覚えていますよ。
その後、腰痛の具合はいかがでしょうか。お仕事に責任感を持っておられる桐乃さんだから、無理せず、というのは難しいかと思いますが、お大事になさってくださいね。

返信(1)

mikaさん、お読みくださりありがとうございます!
お身体のほうは、その後いかがでしょうか。療養されているさなか、ご丁寧なお手紙とお祝いのお言葉を頂戴しまして、大変恐縮ですが感激しております(〃ω〃)

『眼中のひと』『ただひとたびの』両方ともお読みくださったとのこと、ありがとうございます!
あ、やっぱりそうですよね。わたしも「溺愛」と聞くと「束縛」という言葉がセットで思い浮かびますし、ヤンデレちっくな方向へ持っていってしまいます(^^;)
今までにそういうお話はすでにいくつか書いてきたので、今回は違うアプローチをしようと思い、この二人のお話になりました。思いがけず評価をしていただけて、書いて良かったなとしみじみ喜びを噛みしめております。
神蔵、不憫ですよね……。
彼があそこまで辛抱強く待てたのは、元々の彼自身の性格もありますが、あのある意味特殊な家庭環境で鍛えられて育ったことも大きいのかなと思います。
そしてmikaさんがおっしゃるように、榛名の場合は、本来であれば受けられるはずの愛情やケアを得られずに育ったため「親にさえ愛されなかった自分がだれかに好かれるはずがない」というような思い込みにより、自分自身に価値があることを認められない、それを理解できない心理状態にあるのだと想像します。

付き合い始めたらそういう行為をするのがあたりまえ、拒否権などない、みたいな流れに「なんだかな……」と思ってしまうので、mikaさんにそういっていただけてすごくうれしかったです!
(お互いに心の準備ができているならまったく問題ないと思うのですが、付き合う=無条件で肉体関係を持つのが当然、という考え方がちょっと苦手です)
マイペースな榛名に振り回される神蔵、という構図はおそらく歳を重ねても基本的に変わらない気がしますが、これからさらにじわじわと時間をかけて互いに心を通わせていく過程は、わたしもちょっと書いてみたいなと思ったりします(*´-`)
心温まるうれしいお言葉の数々、ありがとうございます!

なんと、『一日の終わりの詩集』がmikaさんのお手許に! わー、感激です~!
「空の下」お気に召したようでうれしいです。そうなんです、あの詩の最後、わたしも心臓を掴まれました。
どの詩も難しい言葉はほとんど使われていなくて、易しい、優しい言葉ばかりで、そのなかに、静けさと柔らかな光、ふいに差す影、ひたむきな祈りが感じられるのがとても好きです。
「穏やかな日」すてきな詩ですね。
年にほんの数回あるかないかなのですが、軽やかに晴れた、風のないある昼下がり、ベランダに干した洗濯ものを眺めながら、なぜかふいに「完璧な一日だ」と感じることがありまして。この「穏やかな日」はわたしのなかでそういう「いま、ここにいる奇跡」のようなものを感じられる一篇です。
mikaさんが書いてくださった茨木のり子さんの詩、まさにその「自分の感受性くらい」にわたしも撃ち抜かれたくちです。
うまくいかなかったことを時代のせい、環境のせいにするな、所詮はそれで諦められる程度の志だったに過ぎない、という痛烈な言葉に、何度読んでも横っ面をはたかれるような思いです。

わたしの腰痛にまでお気遣いをいただき、ありがとうございます。おかげさまで、今のところは落ち着いています(*^^*)

先日更新された、mikaさんの『五月に売れ』さっそく拝読いたしました。つい最近のできごとということもあり、かなり衝撃的で読み応えのある内容でした。
前回の「イーサリアムの生みの親 ヴィタリック・ブテリン」とはまったく対照的な人物ですね。驚きです。
活動報告で書かれていました「暗号資産界隈で言えば、『学歴が人格を担保する』というのは完全に思いこみ、幻影、錯覚です。」という一文が強烈でした。同時に、これは案外ほかの分野でもいえることかも、とも感じました。
わたしの頭ではまだ完全に理解できたとはいいがたいので、何度か読み返して咀嚼したいと思います。

優しく、示唆に富んだお言葉をいつもありがとうございます。
明日あたりから本格的な冬到来のようですので、mikaさんもどうぞご自愛くださいませ(*´ω`*)