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1話、2話を拝読

「対話」を拝読しました。1話と2話、どちらもタイムリーな話題で、特にわたしにとっては2話「外語きょうだい」は、とても共感しました。
村山さんは中国語を勉強し、留学もされているので、中国と日本の関係悪化によって、中国語学習者が差別や不当な評価を受けることを、これまでも強く感じておられたのですね。
わたしのロシア語の先生は、ウクライナ侵攻開始後のレッスンで、意気消沈して「4月以降の仕事が全部無くなる」とおっしゃっていました。ロシア企業と日本企業との間の契約書や仕様書を扱うビジネス翻訳・通訳の仕事はゼロになりますよね。やったとしても、給与が送金されないわけですし。ロシア語専攻の学生が4月以降もいれば大学の授業は続けられると思いますが、この春の新入生にいるのでしょうか……。

作中で杏奈ちゃんがロシア人のお友達のことを心配していましたね。わたしが以前、ロシアを旅行した折、ペテルブルグをガイドしてくれたロシア人女性のことを思い出しました。当時、facebookでやりとりして、わたしたちが宿泊していたホテルで待ち合わせし、1日無料ガイドしてもらったのです。彼女は当時、学生さんだったので、今頃は立派な社会人になっていると思いますが、ロシア国内にいるのか、国外に脱出したのか、安否が気になりました。

その旅行中、ペテルブルグの老舗レストランで夕食をとっていたら、ロシア人の男性が立ち上がって演説を始め(明らかに酔っている)、クリミアはロシアのものだ、という主張をしていました。客席を歩きまわって、自分の主張に同意を求めていました。クリミア併合の翌年のことで、国内世論では併合は支持されていると頭で理解してましたが、実際に見ると恐怖を感じましたよ。
仮にプーチン大統領が失脚して政権交代したとして、民主的な政党が支持されるとは限らないですよね。現政権よりもさらに過激な主張をしている野党が政権をとることだって、あり得るのではないか、と思っています。

作中でお兄さんが「こういう時に続けて勉強していくことが、この先の関係を作っていくためにも重要」と言っていましたね。その通りだと思います。わたしもロシア語、学び続けたいです^^ しゃべログでは時々、時事的なロシアニュースも翻訳しています。一番上に、アノニマスがロシア中央銀行の内部文書を公開した話題をご紹介しています。お時間がある時にお読みいただければと思います。
また、わたしの体調を気遣ってくださり、どうもありがとうございます。村山さんもどうかおからだを大切にしてくださいね! ウクライナ侵攻以降、作品を次々と発表しておられるので、執筆に夢中で睡眠不足などにならないよう、気をつけてくださいね。

返信(1)

mikaさん、読んでいただき有り難うございます。

病み上がりのところ、丁寧な感想までいただき、申し訳ありません。
「外語きょうだい」については、執筆過程でmikaさんのことも頭に浮かびました。
そもそも○○語間にヒエラルキーが存在していることがおかしいのですが、
社会情勢によってそれが増強され、あからさまになるのが残念であり、悔しいのです。
もちろんこれは○○語単独の問題ではなく、その○○、国家や民族に対しての問題なのですが。

そういう差別意識、あるいは優越感・劣等感を少しでも減らしていきたいと、中国語学習者の立場で思い続けていました。
若い頃は特に、「みんな」からズレる不安があるものですが、人と違うことの方が価値がある、という点に気付けば
マイナーであることに自信が持てるはずなんですけどね。
もちろん皆が注目すれば、マイナーではなくなってしまうのですが。

「クリミアはロシアのものだ」
多様性、主義主張の自由という点からも難しい問題ですね。
竹島は? 尖閣は? 北方四島は? と日本人としては考えるべきですが、答えは一つではないでしょう。
ここを選択する重責を担うのが政治家で、その政治家を選べる国に僕たちはいる、ということは忘れてはいけないですね。

そしてラジオのロシア語講座ですが、新年度は新作になっているので、ちょっと挑戦してみるつもりです。
一方でテレビからロシア語講座(とアラビア語)が消えたのが残念です。

しゃべログにも記事を書いておられるとは!
是非とも読ませていただきます。

それにしても皆さん書かれていますが、mikaさん、ご自身のことをおいてこちらを心配してくださるとは……。
感謝いたします。そしてご自愛ください。

有り難うございました!