【ブックレビュー】大人にこそおすすめの おんなのこものがたり

[創作論・評論]

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6件のファンレター

《おんなのこ物語賞》に触発されて、大好きな「女の子の活躍するおはなし」たちのレビューを書いてみました。
男性の書き手読み手の皆さまにも、お勧めしたいものばかりです。(*^^*)
詳しくは「はじめに」をお読みください。
【注】タイトルが「」で示されているものは短編、『』で示されているものは長編です。

ファンレター

「12のつきのおくりもの」「森は生きている」

未村さんがおススメする女の子が活躍する児童文学、大変興味深く読みました!
「森は生きている」は以前、高校演劇でみたことがあります。だいぶ前でうろ覚え。未村さんの絶賛を読んで、もう一度みたくなりました。
「12のつきのおくりもの」は、わたしのもっているバルカンの昔話集収録の「娘と十二の月」と同じ話ですね。こちらの方は、「十一人の男とひとりのおばあさん」なんですよ。三月が「マルタばあさま」です。ご紹介の方は三月は美少年なんですね!!びっくりしました^^ 
おばあさんがままむすめに、どの月が好きでどの月がきらいか尋ねると、彼女は春夏秋冬すべての良さをあげて、どの月もすばらしいと答えます。そして金貨が空中からわいてくる祝福!をもらいます。いじわるな娘の方は、冬は寒いし夏は暑いといやな月ばかりと答えて、へびがわいてくる祝福(呪い)をもらいます。ラストで、いじわる母子はあいかわらずまま娘を憎んでいじめているんですが、お金があるのでへっちゃらという。結婚エンドもありません。
未村さんご紹介の方と比べて、祝福にお金っていやに即物的だな…と思いました。でもマケドニアの人はがまん強いだけでなく、異民族の支配をしなやかに乗り切るしたたかさ(お金とかで)が必要だったのかな~と思いました。支配者であるオスマン帝国のトルコ人がいやでも、しゅっと消えるわけではないから、うまくつきあっていかないといけなかったのでしょうね。
三月の美少年神が人化して、ままむすめと結ばれるエンドも夢があって素敵ですね! ご体調がすぐれなかったとのこと、どうかお体ご自愛下さいね。

返信(3)

お読みくださって、また体調のことお気遣いくださってありがとうございます。^^
マケドニアにも同じ、12の月のお話があるんですね。でも内容と結末がかなり違うんですね、初めて知りました。スロバキアとマケドニア、結びつかなかったけれど、地続きだしあんがい近いということですね。素敵です。
あと、私の名前(ペンネーム)、三村ではなくて「未」村です。ひつじの「み」です。本名は「実村」(やはりミムラと読みます)で、これも珍しいので、DMなどだいたいつねに「三村」に間違われます(笑)。ワープロなどの変換機能で出ないと思うのでお手数をおかけしますが、よろしくお願いします。
あー!未村さんのお名前の変換を途中から間違えていましたね。訂正いたしました。
むすびを読んで、「かわいくない」「かわいげがない」と言わて育ったというところ、とても悲しくなりました。未村さんの文章は、いつもかわいいと思っています。饒舌で、ときどき自分突っ込みを入れたりするところ。たとえば、「王子さま一人なんかじゃないんですよ。もうね、十二人もいるんです、素敵男子が!!…」という感じで、書評でこんな軽やかな紹介ができるのすごい、まねできないと思ってました。
「かわいげがない」という言葉には「生意気だ」とか、「自分の思い通りにならない」といった意味が含まれているように思います。今年、#わきまえない女 とか #私は絶対に黙りません がトレンドワードになりましたね。「かわいげがない」なんて言われても、無視しましょう。
なかやすみ(かんわきゅうだい)で特撮ヒーローについて書かれていましたが、最近の戦隊ものは女性ヒーローが複数いて、性格もいろいろなんですよ。必ずしも男性ヒーローと恋仲になりません。
数年前にみたジュウオウジャーは、動物の化身のヒーローで、メンバーにサメの女性(青、クールで負けず嫌いな性格、チームのサブリーダー)とトラの女性(白、明るいやさしい性格、母子家庭)がいました。主人公の青年(定番の赤)は父子家庭なんですが、父とは疎遠になっていて、亡くなった母の弟である叔父さんが母親(良き理解者)役割でした。主人公は叔父さん宅に下宿していて、幼少期の思い出エピソードに「叔父さんのホットミルク」が出てくる。
女性のキャラクターが多様化していて、より良い時代になった気がします。ヒーローたちの家庭環境もひとり親だったり、親戚が親代わりだったりと、現実の子供たちの環境を反映しているように思います。
あはは、いまの特撮物はすごいですね!(^o^) 多様性っていいことですね。
楽しんでいただけて嬉しいです。「かわいくない」「かわいげがない」というのはおっしゃるとおり、「叱っても泣かない」「黙っている」「そしてけっきょく言うことを聞かない」(笑)ということに対する罵倒だったと思います。強情だと言ってくれればいいのに、「かわいくない」というメンタルダメージで攻撃されたのですよね。裏を返せば、叱られたら泣き、言うとおりにすれば、「かわいい」認定をもらえたのだと思います。そういう「かわいい」は本当の可愛さと違いますよね。