真夜中のキリンさん

[ホラー]

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6件のファンレター

八年前の夏、わたしが実際に目にした出来事です。
当時のメモが出てきたので、書いてみました。

※「背筋がゾクっとする話」かどうかわかりませんが、あえてアレンジは加えませんでした。下手にいじってはいけないような気がして……。

ファンレター

いつもと違う語りを堪能しました^^

『真夜中のキリンさん』、新作公開された時にすぐ拝読しまして、なんて時節にぴったりの作品だと思いました!
どこか「よそよそしい」夜の空気を感じるところから始まり、くるぞくるぞーっと期待感をあおられる描写が重なっていき……!

南ノさんが8年前の夏に実際に見た出来事、として語られるその語り口が、ふだん読ませていただいている『台灣懶惰日記』や『三奈乃の読書日記』とはあえて違う書き方をされていて、とても新鮮に感じました~^^
『台灣懶惰日記』9月7日のお話も再読してみましたが、日記の方はやわらかい語り口で書かれているので、同じ話題なのにまったく怖くないんですね。

今回のお話を最後まで読んで、南ノさんの考察を知った上でまた最初から読み直してみますと、わたしは怖さや不気味さよりもせつない気持ちになりました。
他者が見ると滑稽な振る舞いかもしれませんが、ご本人は本当に真剣だったはずですよね。
その切実な願い、思いの強さを表したものが、「真夜中のキリンさん」たちだったのかなと感じました。

迎え入れるときにこんな呪術めいた作法をとるのなら、同様に、送り出すときも何か作法があるものでは。
もし、念願の相手が来てくれたら、帰したくない、自分のもとにとどめておきたい、と思わないでいられるのだろうか……。
などと、勝手なホラー的想像をしてしましました。

南ノさんのおかげで、台湾の夏の夜の世界の一端を垣間見ることができました。どうもありがとうございます!

追伸:前にご紹介くださった、映画「月老」が、今年4月に日本で劇場公開されたそうなんです。残念ながら3日間限定(短すぎ!)で、気がついたときには終わっており、わたしは観られませんでした。
でも字幕付きで予告編が観られるようになって良かったです。縁結びの神見習いがあの世とこの世を行き来して魂の徳を積むバディものなんですよね。あの世から復讐の鬼がやってきて女性がピンチに。
『真夜中のキリンさん』を拝読したときにも思いましたが、魂があの世とこの世を周期的に行ったり来たりするという感覚を自然に持っている文化なのだなと感じます。
「月老」、いずれ配信されたらいいな、とあらためて思いました^^

返信(1)

mikaさん、お忙しい中、公開時に読んでくださっていただけでなく、お心の籠もったレターまでいただき、感謝の気持ちでいっぱいです!

そうなんです、仰る通り、今回は意識的に文体を変えてみました。私も全然詳しくはないのですが、「怪談実話」というジャンルがあるんですよね。そういうジャンルの作品って独特の文体があるようで、それをちょっと真似してみました^^
内容は本当に「見た通り」なんです。ですから正直、自分が見たものが何だったのか、どこまで理解できているのか、それとも理解できていないのかは不明で…^^;
でも、mikaさんに「他者が見ると滑稽な振る舞いかもしれませんが、ご本人は本当に真剣だったはずです」と書いていただいて、私も本当に仰る通りだと感じました。きっとこの出来事の〝核〟はそういうものだったに違いないと思います^^

「送り出すときも何か作法があるものでは」と書いて下さいましたが、本当にそうですよね。実は私はあの出来事のあった翌日の午前、わざわざ同じ場所にもう一度行ってみたんです。もちろん、そこには前の晩に見たものは影も形もなく、ごく普通の〝有機食材を使うレストラン〟でした。明るい太陽の下で見たお店の佇まいがあまりに普通で、まるで夢を見たような気分になったのを覚えています…。

台湾は、mikaさんが仰るように、「魂があの世とこの世を周期的に行ったり来たりするという感覚を自然に持っている文化」だと思います。それが道教の思想と密接に関わっているのは確かなようなのですが、私の理解も本当にまだまだで…(汗)これからも、続けてじっくり考えていきたいと思っています。

こういう道教的思想はサブカルチャーの中でもごく自然に展開されていて、その好い例の一つが「月老」だと思います。「縁結びの神見習いがあの世とこの世を行き来して魂の徳を積むバディもの」…正にこれです!^^
それにしても上映期間「3日」は短すぎですよね!><
でも、一度(曲がりなりにも)公開されたものなら、配信の可能性は十分ありそうですね^^
台湾のサブカルチャーやコンテンツは、日本ではまだなかなかメジャーになれないのかと思うと残念ですが、でもだからこそ、こういう場でご紹介させていただくのも、少しは意味があるのかなあ…と身の程知らずながら、ちょっと思ったりしました。

mikaさんのレターは、やさしいお気持ちがこもっているだけでなく、いろいろ考えるきっかけやヒントを与えて下さって、とてもありがたく、またとっても嬉しいです‼
本当にありがとうございます(*^^*)