ファンレター

現実との折り合いのつけ方

この地上に、こういった家庭が存在する。胸が苦しくなるけど目を背けてはいけないと、拝読させていただきました。
静謐な筆致が痛いようです。そして知識の裏付けが、物語に確固たる説得力を与えています。
子どもが幼い頃は、夫婦で懸命に治療し、戦い、あがいて、ぶつかって、そして全部呑み込み、今はただ一人静寂の中を歩き面会に行く。嵐の中を歩んできたであろう背景と、荒野のような心象風景が浮かびました。
この作品、時間経過の描写がとても印象的です。絶望の中で、一筋の光を感じる瞬間で幕切れとなるのも心に残ります。
重症患者をめぐる諸問題についても、とても勉強になりました。

返信(1)

佐久田さん、「ごちそう」を読んでくださり有り難うございます。
時間経過の描写、ですか。回想と現在の場面を切り替えるのも苦労するときは全然うまくいかないのですが、
今回は割とすんなり作りました。そういう時の方が、読み手の方にも伝わりやすいのかもしれませんね。
そして、「一筋の光」はいただいたファンレターを元に追加した部分なので、
本当にもう、この作品は今まで以上に自分だけで作っているものではないなあ、と思っています。

重症児・者については、いろいろな立場、意見があり話題にもあげにくいところがありますが、
現実の、日常のお話ですので、この先も触れていければいいなあ、と思っています。

今後ともよろしくお願いいたします。